内科:FAQ
Q1:
タバコによる健康障害と禁煙方法について教えてください。
A1:日本人の死亡原因の第1位は癌、第2位は心臓病(心筋梗塞など)、第3位は脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)ですが、これらはいずれも生活習慣病で、生活習慣を改善することにより死亡率を低下させることができます。
生活習慣とは食事、運動、喫煙、飲酒、睡眠などですが、この中でも禁煙はたいへん重要です。タバコを吸うと10歳寿命が短くなるとの報告があります。
また、タバコを吸っていない周囲の人やお腹の中の胎児にも悪影響を及ぼします。
【喫煙による健康障害】
- 癌の発生率を上昇させます
喉頭癌、肺癌、口腔癌、食道癌、胃癌、膀胱癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮癌など多くの癌の発生率が喫煙により上昇します。
特に喉頭癌や肺癌の発生率は喫煙により大きく影響を受け、喫煙によって男性の喉頭癌は32.5倍に、肺癌は4.5倍になると報告されています。 - 心筋梗塞や脳梗塞の発生率を上昇させます
これらの病気は血管にコレステロールが貯まり血管が閉塞して起こる病気で、脳に起これば脳梗塞に心臓に起これば心筋梗塞になります。いずれも命に関わる重篤な病気です。 - 血清脂質が異常になります
血清脂質とは血液中のコレステロールや中性脂肪のことです。通常血液中の総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を指しますが、喫煙により中性脂肪が上昇しHDLコレステロールが減少します。 - 糖尿病になりやすくなります
喫煙量が多いほど糖尿病発症率が上昇します。タバコを吸うと糖尿病発症率が3倍になります。
また、糖尿病をきちんと治療しないと失明したり腎臓が悪くなり人工透析が必要になりますが、タバコによりこのような合併症が多くなることが知られています。 - 血圧を上昇させます
タバコを吸うと血圧が高くなり心拍数が増え、また、一酸化炭素で酸素不足になり心臓に負担がかかります。 - タバコを吸わない人や胎児に対しても悪影響を及ぼします
タバコを吸うと自分自身だけでなく周囲の人の健康にも悪影響を及ぼします。
また、女性の妊娠、出産に喫煙は有害作用を示し、死産、流産、低出生体重児出産率が高まります。これらの有害作用は妊娠している女性が喫煙しても、また周囲の人の喫煙によっても生じます。
【禁煙しようと思ったら】
まずタバコの有害物質であるニコチンに対する依存度をチェックしましょう。こちらのニコチン依存症のスクリーニングテスト(PDFファイル)をしてみてください。
ニコチン依存症と判定された方はニコチンパッチやニコチンガムを使用すると比較的楽に禁煙を続けられるかもしれません。但し、心筋梗塞、脳梗塞を起こした直後や、重症の不整脈、出血している胃・十二指腸潰瘍、妊娠中や授乳中などの場合ニコチンパッチやニコチンガムは使用できません。
【禁煙後にあらわれる症状】
頭痛、眠い、だるい、イライラ感などの症状がでます。いわゆる禁断症状です。禁断症状は2~3日でピークとなり2~3週間続きます。この時期を上手く乗り切ることが重要です。ニコチンパッチやニコチンガムはこれらの症状を軽減します。
禁煙後はつらい症状ばかりでなく、下の表の様に次々と体によい変化が起こってきます。
~禁煙による医学的変化~
- 禁煙1日後 心臓発作のリスクが減る
- 禁煙2日後 においと味の感覚が復活
- 禁煙3日後 呼吸が楽になる
- 禁煙14日後 心・肺機能が改善する
また、次のような日常生活の工夫を行い禁煙を成功させましょう。
◆禁煙成功のための日常生活の工夫
(日本循環器学会:あなたにもできる禁煙ガイド)
- 熱いお茶や冷たい水など、飲み物を利用する
- 歯ブラシなど口くわえるものを活用する
- コーヒーや宴会など喫煙につながるものをさける
- 散歩、運動など体を動かす機会をつくる
- 野菜を多くとり、便秘や体重増加を防ぐ
- 煙の多い場所に行かない
- 軽い痛み、刺激で気を逸らす
- 趣味に没頭する
- 食後はすぐ席を立つ
- 禁煙日記をつける
【禁煙に役立つ情報】
日本循環器学会禁煙推進委員会 http://www.j-circ.or.jp/kinen/
厚生労働省健康ネット http://www.health-net.or.jp/
日本医師会 http://www.med.or.jp/nosmoke/
ニコチンパッチの情報 http://www.nicotinell.jp/
ニコチンガムの情報 http://www.nicorette-j.com/











