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生活習慣病センター

ごあいさつ

 生活習慣とは、食事、運動、飲酒、喫煙、ストレス、睡眠などを指します。生活習慣病とは生活習慣が発症原因として深く関与している疾患で、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症や高中性脂肪血症など)、高血圧などです。また疾患ではなく病態ですがメタボリックシンドロームも重要な生活習慣病です。これらの疾患の初期は症状がなく放置されがちですが、この時期から治療を開始しないと、動脈硬化性疾患、すなわち心臓病(狭心症、心筋梗塞など)や脳血管障害(脳梗塞など)、末梢血管障害などが生じやすくなります。また糖尿病を放置すると、動脈硬化性疾患の他に腎障害や失明の原因となります。生活習慣病センターは心筋梗塞や脳梗塞、失明、腎障害などが発症しないように、糖尿病、脂質異常症、高血圧などをしっかり治療していく診療科です。

生活習慣病センター センター長 橋本佳明

特色

「診療方針」

  1. 患者さまにできるだけ自覚をもって生活習慣の改善に努力していただく。
  2. 使用薬剤は必要最低限にする。
  3. 動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)や糖尿病合併症(腎障害、失明など)をしっかり予防する。
  4. 医師と栄養士、フットケア担当看護師、外来看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士が協力して治療にあたる(参考:生活習慣病診療チーム)。
  5. 生活習慣改善努力は健康な人でも行うべき最重要課題の一つであり、私たち医療従事者も患者さまとともに生活習慣改善努力を行う。

対象疾患について

「糖尿病」

血糖が高くなる病気です。初期には症状がありませんが、放置すると糖尿病合併症(腎障害、眼障害、神経障害、動脈硬化性疾患(脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、末梢血管障害など))が生じてきます。初期から適切な治療を行っていくことが大切です。

  1. 診断
    以下のいずれかの場合、糖尿病が強く疑われます。
    • *空腹時血糖が126mg/dl以上
    • *随時血糖が200mg/dl以上
    • *HbA1cが6.5%以上(NGSP値)
  2. 治療
    • (1)糖尿病の原因は様々です。原因にあった治療が必要です。
    • (2)生活習慣の改善:食事療法、運動療法、禁煙、節酒が重要です。
    • (3)薬物治療:(2)で改善しなかった場合、薬物治療が必要です。医学が進歩し、様々な種類の薬が利用できます。その中から最適な薬を選びます。
  3. 当院糖尿病患者数と外来管理状況
    外来糖尿病患者数は年々増加し、2013年には4005名(糖尿病治療薬で治療中の患者数で、食事療法のみの患者は含まれていません)(参考:糖尿病患者数)になりましたが、その後減少し、2016年には2647名になりました。HbA1c7%未満達成率は2013年までは経年的に上昇し60%を超えましたが、その後低下し2015年には44.6%でした。(参考:HbA1c7%未満達成率)。この原因として、厚労省の通達により、血糖コントロールの良い患者を積極的に近隣のクリニックに逆紹介していることが考えられます。
  4. 高齢者のHbA1c目標値
    2016年に高齢者のHbA1c目標値が、糖尿病学会より提案されました。低血糖を起こさないように、HbA1cの上限値のみでなく下限値も決められています(参考:高齢者HbA1c目標値)。

「脂質異常症」

脂質異常症とは、高LDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症を指します。動脈硬化性疾患(脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、末梢血管障害など)を予防するために脂質異常症を治療します。従って症状が出ていない時期から治療する必要があります。

  1. 診断
    一般的な基準値
    • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)140mg/dl未満
    • HDLコレステロール(善玉コレステロール)40mg/dl以上
    • トリグリセリド(中性脂肪)150mg/dl未満
    注意:総コレステロールはHDLコレステロールが高くても高くなり、一般的には異常の有無を判定する必要はありません。
  2. 治療
    • (1)1)の診断で異常であっても、すぐに治療を必要としない場合もあります。
    • (2)生活習慣の改善:食事療法、運動療法、禁煙、節酒が重要です。
    • (3)薬物療法:体の状態により適切な薬を選ぶ必要があります。
    • (4)管理目標値:体の状態によりLDLコレステロールの目指すべき値が異なります。
    例 糖尿病があれば120mg/dl未満を目指す。
    狭心症や心筋梗塞があれば100mg/dl未満を目指す。(最近では70mg/dlを目指すこともあります)

「高血圧」

高血圧は脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などを予防するために治療します。従って、脂質異常症と同様に、症状が出ていない時期から治療する必要があります。

  1. 血圧値の分類
  2. 治療
    • (1)生活習慣の改善:生活習慣の改善:食事療法、運動療法、禁煙、節酒が重要です。
    • (2)薬物療法:最適な薬を選ぶ必要があります。
    • (3)降圧目標

「メタボリックシンドローム」 (参考:メタボと健常人の比較(写真)

内臓脂肪蓄積を基盤に、糖代謝異常、脂質異常、血圧上昇を合併した病態で、心血管疾患を発症する確率が高く、まずは内臓脂肪の減少を目的とした食事療法、運動療法を行うことが極めて重要です。

  1. 診断
    以下の(1)を満たし、かつ(2)の2項目以上が認められる場合、メタボリックシンドロームと診断します。
    • (1)腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
    • (2)脂質異常:中性脂肪150mg/dl以上 または HDLコレステロール40mg/dl未満
    血圧異常:収縮期血圧130mmHg以上 または 拡張期血圧85mmHg以上
    空腹時血糖異常:110mg/dl以上

専門診(禁煙外来)

禁煙外来:橋本外来の中で行っています。

  1. 禁煙外来受診条件
    禁煙外来を受診前に、生活習慣病教室(参照:生活習慣病教室のお知らせ)の“喫煙の健康障害と禁煙方法”を聴講して頂く必要があります。
  2. 保険診療となる条件:以下の3条件すべてを満たす必要があります。
    • (1)ブリンクマン指数(1日の喫煙本数 x 喫煙年数)
              35歳以上の場合 200以上
              35歳未満はこの条件はありません
      例:1日20本、10年間喫煙している場合はブリンクマン指数=20 x 10 = 200 となります。
    • (2)タバコ依存症スクリーニングテストの10項目の質問のうち5項目以上が当てはまる。
      (参照:タバコ依存症スクリーニングテスト
    • (3)直ちに禁煙することを希望

活動

「生活習慣病教室の開催」

糖尿病専門医、眼科医、看護師、栄養士、検査技師、理学療法士、薬剤師がチームを作り、(月)から(金)の15:00~16:00に開催しています。外来・入院患者に限らず誰でも参加可能です。生活習慣病の予防や治療に必要な情報をわかりやすく説明します。 (参照:生活習慣病教室のお知らせ)(参考:生活習慣病診療チーム

「禁煙教室の開催」

(参照:生活習慣病教室のお知らせ
第1、3木曜日の16:00~17:00に開催しています。外来・入院患者さまに限らず誰でも参加可能です。喫煙の健康障害と禁煙方法についてわかりやすくお話します。

「市民公開講座の開催」

(参考:市民公開講座のテーマ
地域住民の皆様に、いつまでも若々しく長生きしていただくために、また病気を持っておられる方にはうまく病気を治療していただくために、医師会と当院との共催で毎年1回、市民公開講座を開催しています。平成25年のテーマは“生活習慣病の予防と治療”でした。

「職員運動」

患者さまに指導することを、まず指導する者が実行しなければならないとの考えのもと、以下の2つの職員運動を行っています。

1)“差し支えなければエレベータではなく階段を使用しましょう”
以下の5つのメリットがあると考えています。(1)この経験が患者さま指導に役立つ (2)自分自身の生活習慣病予防や治療に役立つ (3)電気代の節約 (4)患者さまのエレベータの待ち時間の短縮


2)禁煙運動
2015年の当院の喫煙者率は男性26.4%、女性10.8%で、全国喫煙者率は男性31.0%、女性9.6%でした。医療従事者としてはまだまだ高率でさらなる喫煙率の低下を目指して努力する必要があると考えています。

専門医認定プログラム

日本糖尿病学会および日本動脈硬化学会認定教育施設となっており、複数の医師が専門医資格取得を目指しています。また多くのコメディカルが糖尿病療養指導士資格取得を目指しています。資格取得のためのサポートもいろいろ行っています。
(参照:研修プログラム(糖尿病内科)

研究

 学会発表や論文執筆を活発に行っています。学会や研究会で新しい知識を得るだけでなく、新しい知見を積極的に発表しそれを論文としてまとめていくことが地域基幹病院の医師としての義務であると考えています。(参考:学術業績

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