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言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapist)

はじめに

当院の言語聴覚士は、失語症や構音機能といった言語機能のほか、高次脳機能や摂食嚥下機能に対して検査や指導・介入を行なっています。
言語聴覚療法室が5室ありますので、リハビリを実施するための充分な環境が整っています。豊富な評価用具も揃えており、根拠に基づいた専門的な評価や治療を提供しています。
摂食嚥下機能への介入では食形態や栄養管理の提案も言語聴覚士から医師に行っています。言語聴覚士と医師をはじめとした多職種間の信頼関係が築けていることが、患者さんの生活の質に繋がっていくと考えています。

取り組み

失語症

失語症

脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などによって脳が障害されると、場合により言葉が理解できない、思い出せない、字が書けない、読めないなどの症状をきたします。言語検査・評価を踏まえ、その方にとって重要な領域に向けた言語練習を行っています。
当院では、独自の失語症標準プログラムを用いて失語症の練習に役立てています。退院される際には、ご家族にもコミュニケーションの取り方などをお伝えし、言葉の壁を取り払い、安心してご退院いただくために尽力しています。

構音障害

構音障害

構音障害とは、言語理解には問題がないが、口唇や舌・声帯の麻痺により発音が上手にできなくなる、呂律が回ならなくなるなどの症状のことを言います。発声訓練や構音練習以外にも、声帯麻痺の可能性が考えられる場合には内視鏡検査を行って、評価・訓練を行います。
加えて、患者さんそれぞれの状態に応じた自主トレーニングメニューを提案し、出来るだけ早くその方の構音障害が改善するように練習後もフォローを行なっています。

高次脳機能障害

高次脳機能障害

脳の損傷により注意力や記憶の低下、感情のコントロールがきかなくなるなどの症状が現れ、状況に応じた行為が行えなくなるなどの症状をきたします。当院では多職種で連携を取り合いながら、その方の問題となる高次脳機能を生活レベルまで掘り下げ、共に考えます。例えばタブレットを用いたADL動作※1の学習などを行っています。様々な標準検査を用い、その方の生活を意識した助言・介入をしています。

※1 ADL:Activities of daily living(日常生活動作)
起床から着替え、移動、食事、トイレ、入浴・洗面など日常生活を送るうえで発生する動作のことを指します。

摂食嚥下障害

摂食嚥下障害とは物を認知できない、飲み込めない、噛めない、むせるなどの飲み込みに関わる障害のことです。言語聴覚士は医師との連携も厚く、食形態の提案は言語聴覚士が主導で行っています。また、当院では栄養サポートチームによる回診を週に3日を行ない、各科間が垣根を越えてそれぞれの専門的な知識を活かしながら一致団結しています。
すべての患者さんが、美味しくご飯が食べられるようにアプローチを行っています。

耳鼻いんこう科

耳鼻いんこう科

聴力検査・補聴器の調整・人工内耳マッピング・嚥下評価、耳鼻科領域の検査・及び頭頸部外科領域のリハビリを実施します。 喉頭がん、頭頸部がんの頭頸部外科領域の患者さんに対しては、術前・術後に起こる障害に対しての説明を行い、口腔外科と連携し軟口蓋挙上装置の作成も行っています。
最後まで聞こえるように、食べられるように多職種連携で患者さんをサポートします。

メッセージ

言語聴覚士はコミュニケーションと嚥下のプロ。私たちは問題の本質や原因を明らかにし、対処法や最良のコミュニケーション手段を見出すため、日々、多職種と連携しながら真剣に取り組んでいます。
会話することを義務に感じるのではなく、楽しくお話しができるような雰囲気作りを提供しています。私たちは最後まであきらめません!

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