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不整脈・心不全

ふせいみゃく

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不整脈

■心臓の役割と正常の拍動

心臓は全身に血液を送るポンプです。一日に約10万回拍動して全身に血液を送っています。心臓は一定のリズムで拍動し、たとえば運動など多くの血液が必要なときなどは拍動数を増加するように調節しています。心臓の中にある洞結節と呼ばれる部位が興奮することで拍動が始まります。その興奮は電気の信号のように心房の筋肉を伝わっていきます。心房の興奮は心室間の房室結節に収束し、心室の心筋へと伝えられます。房室結節は洞結節に不具合が発生したときのバックアップや、心房からの興奮のフィルター機能を担っています。

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■不整脈とは

心臓の拍動が正常とは異なる部位から興奮したり、正常とは異なる伝導をしたりすることを不整脈といいます。不整脈には生命の危機の危険があるため治療が必要なこともあれば、経過観察のみで充分なものもあります。不整脈の症状は動悸や失神など様々ですが、なかには症状がはっきりしないものもあります。
だからこそ、一度治療をすべきかどうか専門医による精密検査が必要です。


頻脈性不整脈(心房細動、発作性上室性頻拍など)とカテーテルアブレーション

■頻拍性不整脈の種類

脈拍が正常より早い不整脈のことを頻拍性不整脈といいます。

①期外収縮
予定より早いタイミングで心臓が収縮してしまうものです。自覚症状(動悸、胸痛など)が強いとき、あまりにたくさん(10%以上)出てそれが心臓に悪影響を及ぼしていると考えられる場合は治療を行います。この不整脈は心臓の異常のサインのことがありますので無症状でも精密検査が必要です。

②発作性上室性頻拍
突然心拍が早くなったり(頻拍)、正常に戻ったりする不整脈です。強い動悸や失神する患者さんもいます。頻拍が長期間続くと心臓の機能に影響することもあります。カテーテルアブレーションを行うと根治することが可能です。

③心房細動
心房が細かく震えるように拍動するため、脈が乱れる不整脈で心拍数は毎分50回から200回まで様々です。動悸や息切れなどを訴える方もいますが、約半数は検診で見つかります。心房細動は、心臓の機能に影響することもありますが、心房が震え充分に収縮しないため心房内に血液がよどみ、血栓ができて脳梗塞を発症することが知られています。そのため、脳梗塞の予防をする必要があります。治療としては、薬物治療、カテーテルアブレーション治療があります。脳梗塞を予防可能と考えられている手術もあります(最新医療で紹介)

④心室頻拍
心室から発現する頻脈です。心筋梗塞や心不全に合併し突然死の原因となります。心臓機能に問題ない方にも発症する特殊な疾患もあります。症状は重篤なことが多く、動悸や胸痛、失神など突然発症します。基本的に治療が必要な不整脈で、薬物療法、カテーテルアブレーション、植え込み型除細動器などがあります


■カテーテルアブレーションについて

不整脈の原因となる部位まで血管の中を通してカテーテルをすすめ、その先端から高周波を送り込み焼灼します(アブレーション)。心筋(心臓の筋肉)は一定の温度に達すると、不整脈を伝導したり発生しなくなります。

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■カテーテルアブレーションの方法

カテーテルアブレーションは入院して行う治療です。入院前に血液検査、心電図、胸部X線撮影、経食道心臓超音波や心臓CTなどの精密検査を行います。手術は血管造影室で局所麻酔を用いますが、症例によってはセデーション(寝ているような状態)して手術を行います。鼡径部(太ももの付け根)、頸部(首の周り)の血管内にシースと呼ばれるカテーテルの通り道を4-6本設置します。シースを通して、検査やアブレーションに用いるカテーテルを血管内に挿入します。病変を探すために不整脈を誘発することがあります。病変部位が確定したら治療用カテーテルに通電してアブレーションします。
手術は2-5時間かかります。手術が終わったらシースを抜いて血管を圧迫して止血します。術後4-8時間のベッド上の安静が必要です。入院期間は約4日です。

■心房細動のアブレーションについて

心房細動アブレーションは、左心房に注ぎ込む肺静脈の入り口を電気的に隔離することによって心房細動を起きなくする治療です。右房と左房の壁(心房中隔)を針で小さな穴をあけ、右房から左房にカテーテルを進めて焼灼します。心房中隔の穴はカテーテルを抜くと自然にふさがり、それが問題になることはありません。心房細動アブレーションは薬を中止しても全く起こらなくなる成功率が7割くらいです。複数回の治療をすること、薬を併用することでその成功率は9割以上に上がってきます。

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徐脈性不整脈とペースメーカー治療

■徐脈性不整脈とは

脈が遅くなる不整脈です。時間あたりに心臓が動く回数が減るために、脳や全身に十分に血液を送ることができません。それにため、失神やめまい、息切れなどの症状がでることもあります。脈が遅くなっている原因やその程度によって重症度が変わってきます。


■徐脈性不整脈の種類

①房室ブロック
(ア)Ⅰ度 伝わりが悪くなるだけですので経過観察です。
(イ)Ⅱ度 良性の場合は長く心停止しないので、治療の必要はありません。悪性の場合は、長く心停止することがあります。それを見分けるために検査が必要になることもあります。
(ウ)Ⅲ度 完全に伝導が切れてしまうため、脈拍が非常の遅くなります。病状によっては緊急入院が必要です。

②洞不全症候群
(ア)洞停止 洞結節からの興奮が出なくなる状態です。長く止まると失神します。
(イ)洞徐脈 運動時に脈が上がれば問題ありませんが、息切れやだるさが出現することがあります。


■治療

ペースメーカーの植え込みが必要なことがあります。適応となるのは、
①徐脈性不整脈があり症状のある患者さん、
②長時間の心停止から突然死や失神を起こすリスクがある患者さんです。


■ペースメーカー植え込みについて

ペースメーカーの植え込みは局所麻酔で行います。鎖骨の下の静脈から右心室と右心房にリード線(電極)を挿入し、大胸筋膜の上にジェネレーター(ペースメーカー本体)を入れて接続します。

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■ペースメーカー治療の留意点

ペースメーカーは精密機械で、本体に内蔵されている電池で動いています。電池はいずれ消耗するため、植え込み後5年から10年くらいで交換する手術が必要です。電池の寿命は、患者さんの病態やリードの状態などにより異なります。また、リード線の損傷や断裂などによりペースメーカーが作動しなくなることもあります。そこで、電池やリードの状態を確認するため、ペースメーカークリニックに3か月から1年ごとに受診していただきます。そこでは、作動状況を確認して必要に応じて設定を変更します。ペースメーカーは体内の電流を感知して作動しています。そのため、電磁波が強いところではノイズを感知して誤作動することがあります。これを電磁障害といいます。代表的なものを下に記します。詳細は担当医師に遠慮なく聞いてください。

影響がないもの、弱いもの
ラジオ、テレビ、コンピューター、無線LAN、自動車、電車、電気自動車の車内、家庭用血圧測定器、冷蔵庫、ドライヤー

注意が必要なもの(一定の距離を置いて使用するもの)
携帯電話、IH炊飯器/調理器、スマートキー、盗難防止装置、ICカードリーダー

影響の強いもの(使用を避けるもの)
体脂肪計、電気風呂、電気マッサージ、全自動麻雀器


心不全に対するデバイス治療

■慢性心不全について

心臓は全身に血液を送るポンプです。心筋梗塞や心筋症など心臓の病気のため心臓が十分に活動できなくなると心不全が起こります。心不全には、急激に肺がうっ血して呼吸困難に陥ったり血圧が低下してショック状態になったりする急性心不全と、徐々に心臓機能の悪化するため自分自身で対応する(代償)慢性心不全があります。慢性心不全では、普段はそれほど強い症状のない方や少し動いたりするだけで症状の出る方がいます。慢性心不全の治療は、原因となる疾患(心筋梗塞や心筋症)の治療が最も重要です。症状の緩和にはβ遮断薬やACE阻害薬などの内服薬の治療が有効です。


■慢性心不全の方の突然死や心不全症状

慢性心不全の方の予後(今後どれくらい元気でいられるか)は、決して悪くありません。しかしながら、突然死される方が一定数います。これは、心室細動という不整脈をおこしてしますことからおきます。突然に発症する心室細動には一刻も早い対処が必要で一分単位の治療の遅れが重大な事態を引き起こします。また、心不全に対しても薬物治療を行っても、心臓の機能の回復や症状の改善が十分に得られない患者さんもいます。そんな患者さんの原因の一つが心臓同期不全と呼ばれる心臓の収縮のタイミングがずれた状態です。


■植込みデバイスと呼ばれるもの

植え込み型除細動器(ICD)
心室細動を起こした際に、自動的にそれを感知して電気ショックやペーシング治療を行い、心室細動を治療します。

心臓再同期療法(CRT)
通常のペースメーカーのリードは右心室に電極を設置しますが、この方法は左心室側にもペーシングリードを置くことで、左心室を両側からはさみ込むように刺激を加えて心臓の同期不全を直します。ICDの機能がついているもの(植え込み型除細動器付心臓再同期療法(CRT-D))と、CRTの機能のみのもの(CRTP)があります。

植え込みの方法
基本的にはペースメーカー植え込み術と同様の方法で手術が行われます。ICDは、除細動用の太いリードを右心室に、心房用のリードは右心房に設置します。

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CRTDは、それに加えて左室用のリードが入ります。左室用のリードは右心房から冠状静脈と呼ばれる左心室に分布する血管に留置します。

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時間は、ICDは1-2時間、CRTDは、2-3時間かかります。ICD、CRTDのジェネレーターはペースメーカーと比較するとだいぶ大きくなります。


■どういう人に植込むか、その効果は?

ICD
実際に重症の不整脈を経験した方
重症不整脈による突然死のリスクが高いの患者さん
①左室の収縮能が治療を行っても極端に悪い人
②左室の収縮能が悪く、心不全症状や心室性の不整脈がある人に
これらの人に植込んだ場合、植え込まなかった人に比べて生命予後の改善することがわかっています。ただし、植え込むことによって心不全症状が治るわけではありません。

CRT
心電図で、心臓の同期不全が認められて、心臓の収縮が悪い人が対象になります。当初は重症の心不全症状を示す人だけが植え込まれていましたが、軽症心不全の人でも予後改善効果が示されています。この治療によって心不全症状の改善と、心臓関連の予後の改善が期待されています。

挿入後は
デバイスクリニックに通院する必要があります。ペースメーカーと同様に電磁障害を起こすことがあります。電磁波の強度によって、①全く問題ないもの②距離を話す必要があるもの③使えないものがあります。詳しくは、主治医やデバイス外来の担当医と相談ください。


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