脳腫瘍センターについてAbout us

医師
脳腫瘍センター長
渡邊学郎(わたなべたかお)

2015年10月1日、上尾中央総合病院では、より充実した脳腫瘍の診断・治療を患者様に提供することを目的に、脳腫瘍センターを設立しました。初代のセンター長に赴任しました渡邉学郎(わたなべたかお)は、脳神経外科専門医を取得後、一貫として脳腫瘍をライフワークとし、臨床と平行して脳腫瘍に関する基礎研究に従事してきました。また。大学病院での20余年に渡って、難易度の高い脳腫瘍手術や頭蓋底手術を多数行ってきました。この経験に基づいて、患者様にはより良い治療法をご提案させていただきます。脳腫瘍という病名を聞くと、「不治の病」といったイメージを抱く方も多いと思いますが、きちんと治療すれば、完治する可能性のある病気なのです。脳腫瘍についてお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。少しでも脳腫瘍を患う患者様にお役に立てるように、脳腫瘍センターの充実を図っていきたいと存じます。地域の皆様方のご支援・ご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

特徴Characteristic

  • 特徴その1

    低侵襲な治療

    脳腫瘍センターでは、できるだけ低侵襲(患者様の負担が少ない)で合併症を来さず、なおかつ高水準の治療を患者様に受けていただくことをモットーとしています。開頭手術を行う際には、3Dシミュレーション画像にて最も安全かつ適切な手術アプローチを決定しています。

  • 特徴その2

    すべての脳腫瘍に対応

    脳腫瘍には、神経膠腫(しんけいこうしゅ)、髄膜腫、神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)、下垂体腺腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍など、様々な種類がありますが、本センターでは、先端の医療技術を取り入れることで、すべての種類の脳腫瘍に対して診断・治療が可能であり、正確で安全な医療を提供します。

  • 特徴その3

    関連部門が一体となった医療チーム

    脳神経外科のみならず、放射線治療科、放射線診断科、病理診断科、腫瘍内科、リハビリテーション科、がん看護専門看護師、栄養士、ソーシャルワーカーなどの様々な医療スタッフと密な連携をとり、チーム一丸となって、患者様とご家族が安心していただける医療に務めます。

手術用ナビゲーションシステム
Medronic社の最新手術用ナビゲーションシステム

当院では最新鋭医療機器を導入しています

①ナビゲーションシステム
ナビゲーションシステムの導入により、手術の精度を飛躍的に向上させることが可能になりました。

②その他設備
CT(256列 )、MRI(3.0T)、ハイブリッド手術室

  • 特徴その1
  • 特徴その2
  • 特徴その3

病気を知るAbout the disease

  • 神経膠腫

    CASE 1神経膠腫

    脳実質より発生する腫瘍であり、グリオーマと呼ばれています。その手術に際しては、脳機能を温存しつつ、いかに腫瘍を最大限に摘出するか、ということがポイントとなります。脳腫瘍センターでは、各種の脳機能マッピング・モニタリング、術中蛍光診断、ナビゲーションシステムなどを駆使して手術を進めることによって、大切な脳の働きを保護することに最大限の努力を払っています。術後の化学療法としては、腫瘍組織の遺伝子を調べて、治療効果が最も期待できる抗腫瘍薬を選択します。さらに、患者様のquality of lifeを十分に考慮して、放射線療法、定位的放射線治療、免疫療法(インターフェロン)などを組み合わせて、最善の治療をご提案・ご提供します。

  • 髄膜腫・神経鞘腫

    CASE 2髄膜腫・神経鞘腫

    脳を覆う髄膜より発生する髄膜腫や聴神経などの脳神経より発生する神経鞘腫では、完全摘出によって治癒が期待できます。しかし、頭蓋底部や脳幹近傍の腫瘍では、顔面神経や眼球運動神経などが腫瘍に巻き込まれていることが多く、その摘出は必ずしも容易ではありません。本センターでは、脳神経マッピングとモニタリングを駆使することにより、機能温存を計りつつ、最大限の腫瘍摘出を図っています。また、腫瘍が小さい場合には、手術にこだわらずに、定位的放射線治療を行うことによって、それぞれの患者様にとって最良の治療法を選択します。

  • CASE 3下垂体腺腫・頭蓋咽頭腫

    生体にとって重要な様々なホルモンを分泌する脳下垂体から発生する腫瘍です。この部位の腫瘍に対しては、開頭せずに神経内視鏡を用いて鼻から脳下垂体に到達する方法を第一選択としています。手術以外の治療としては、抗ホルモン療法や定位的放射線治療などを行います。

  • 悪性リンパ腫

    CASE 4悪性リンパ腫

    病理組織学的には体のリンパ節に発生する腫瘍と同じもので、脳や脊髄に発生することは稀とされてきましたが、最近ではその頻度は増加傾向にあります。悪性リンパ腫に対してはメソトレキセートという腫瘍用薬が有効ですが、その投与に際しては副作用が問題となります。本センターでは、化学療法に精通したスタッフを整え、安全で高い抗腫瘍効果が得られるように工夫した独自の方法にてメソトレキセートの大量投与を行っています。このメソトレキセート大量化学療法に定位的放射線治療をはじめとした放射線療法を加えることにより、良好な治療結果を得ることができます。

  • CASE 5転移性脳腫瘍

    体の癌が脳に転移してきた腫瘍です。かつては、予後はきわめて不良でしたが、ガンマナイフなどの定位的放射線治療が出来る様になって、治療成績は飛躍的に向上され、転移性脳腫瘍が原因で亡くなる患者様はほとんどいなくなりました。手術、放射線治療(全脳照射、定位的放射線治療)などを組み合わせて、個々の患者様に応じて最善の治療法を提供します。

医師紹介Doctor’s profile

脳腫瘍センター長
渡邊学郎(わたなべたかお)

略歴

1990年3月
日本大学医学部卒業
1990年6月
日本大学医学部附属板橋病院総合臨床研修医
1991年6月
日本大学医学部脳神経外科講座入局、助手勤務
1999年10月
WHO International Agency for Research on Cancer研究員(フランス リヨン)
2001年1月
リヨン大学脳神経外科医員
2003年10月
日本大学医学部脳神経外科講師
2006年12月
日本大学医学部脳神経外科助教授
2007年4月
日本大学医学部脳神経外科准教授(助教授の名称変更)
2008年4月
日本大学医学部附属板橋病院脳神経外科部長
2014年1月
行徳総合病院脳神経外科部長
2015年10月
上尾中央総合病院脳腫瘍センター長

取得資格

医学博士
 
日本脳神経外科学会
専門医・指導医
日本がん認定医機構
認定医・指導医
厚生労働省
医師の臨床研修に係る指導医講習会修了

主な所属学会

  • 日本脳神経外科学会(評議員)
  • 日本脳神経外科コングレス
  • 日本癌治療学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本脳腫瘍病理学会(評議員)
  • 日本頭蓋底外科学会(評議員)
  • ヨーロッパ脳腫瘍学会(European Association of Neuro-Oncology)
  • Society for Neuro-Oncology

受賞

  • 米国神経病理学会Lucien J Rubinstein賞

業績

主要論文(抜粋)

  1. Watanabe T, et al.: Anatomical variation of superior petrosal vein and its management during surgery for cerebellopontine angle meningiomas. Acta Neurochir 155:1871-1878, 2013.
  2. Watanabe T, et al.: Non-promoter hypermethylation of zygote arrest 1 (ZAR1) in human brain tumors. Brain Tumor Pathol 28:199-202, 2011.
  3. Watanabe T, et al.: Lateral supracerebellar transtentorial approach for petroclival meningiomas: operative technique and outcome. J Neurosurg 115:49-54, 2011.
  4. Watanabe T, et al.: Aberrant hypermethylation of non-promoter zygote arrest 1 (ZAR1) in human brain tumors. Neurol Med Chir 50:1062-1069, 2010.
  5. Watanabe T, et al.: Aberrant hypermethylation of p14ARF and O6-methylguanine-DNA methyltransferase genes in astrocytoma progression. Brain Pathol 17:5-10, 2007.
  6. Watanabe T, et al.: Preliminary individualized chemotherapy for malignant astrocytomas based on O6-methylguanine-DNA methyltransferase methylation analysis. Neurol Med Chir 46:389-396, 2006.
  7. Watanabe T, et al.: Human interferon beta, nimustine hydrochloride, and radiation therapy in the treatment of newly diagnosed malignant astrocytomas. J Neuro-Oncol 72:57-62, 2005.
  8. Watanabe T, et al.: O6-Methylguanine-DNA methyltransferase methylation and TP53 mutation in malignant astrocytomas and their relationships with clinical course. Int J Cancer 113:581-587, 2005.
  9. Watanabe T, et al.: Deregulation of the TP53/p14ARF tumor suppressor pathway in low-grade diffuse astrocytomas and its influence on clinical course. Clin Cancer Res 9:4884-4890, 2003.
  10. Watanabe T, et al.: Long-term remission of primary central nerves system lymphoma by intensified methotrexate chemotherapy. J Neuro-Oncol 63:87-95, 2003.
  11. Watanabe T, et al.: Treatment of low-grade diffuse astrocytomas by surgery and human fibroblast interferon without radiation therapy. J Neuro-Oncol 61:171-176, 2003.
  12. Watanabe T, et al.: Aberrant methylation of the p73 gene in gliomas. Acta Neuropathol 104:357-362, 2002.
  13. Watanabe T, et al.: Phenotype versus genotype correlation in oligodendrogliomas and low-grade diffuse astrocytomas. Acta Neuropathol 103:267-275, 2002.
  14. Watanabe T, et al.: Concurrent inactivation of RB1 and TP53 pathways in anaplastic oligodendrogliomas. J Neuropathol Exp Neurol 60:1181-1189, 2001.
  15. Watanabe T, et al.: Promoter hypermethylation and homozygous deletion of the p14ARF and p16INK4a genes in oligodendrogliomas. Acta Neuropathol 101:185-189, 2001.
  16. Watanabe T, et al.: Evaluation by magnetic resonance imaging of the entrapped temporal horn syndrome. Case illustration. J Neurol Neurosurg Psychiatry 66: 113-113, 1999.
  17. Watanabe T, et al.: Control of proliferation and survival of C6 glioma cells with modification of the nerve growth factor autocrine system. J Neuro-Oncol 41:121-128, 1999.
  18. Watanabe T, et al.: Metachronous ovarian dysgerminoma after a suprasellar germ cell tumor treated by radiation therapy. J Neurosurg 83:149-153, 1995.

主要論文(抜粋)

  1. 渡邉学郎: 顔面痙攣. 脳神経外科学 改訂11版 (太田富雄総編集), 金芳堂, 2012.
  2. 渡邉学郎, 他: 中脳および橋・延髄腫瘍に対する手術. ビジュアル脳神経外科3 脳幹・基底核 (片山容一編), メジカルビュー社, 2011.
  3. 渡邉学郎, 他: 錐体斜台部髄膜腫に対するlateral supracerebellar transtentorial approach. 脳腫瘍の外科: 社会が望む脳腫瘍外科 (大畑建治編), メディカ出版, 2011.
  4. 渡邉学郎: 言語・運動野のグリオーマ. ビジュアル脳神経外科1 前頭葉・頭頂葉 (片山容一編), メジカルビュー社, 2010.
  5. 渡邉学郎: 脳幹部海綿状血管腫の手術: Occipital transtentorial approachとIntratentorialsupracerebellar approach. Neurosurgery NOW 10 後頭蓋窩手術 (大畑建治編), メジカルビュー社, 2010.
  6. 渡邉学郎: 初回治療時テモゾロミド反応例に対するテモゾロミドの再投与. 脳腫瘍実践ケーススタディ第2巻 (秋元治朗・田中聡編), 株式会社エサップ, 2010.
  7. 渡邉学郎: Insular glioblastomaの手術. 脳腫瘍実践ケーススタディ第2 (秋元治朗・田中聡編), 株式会社エサップ, 2010.
  8. 渡邉学郎: 脳腫瘍の分子診断と薬剤感受性. 癌の基礎から臨床へ: ベンチからベッドサイドへ (西條長宏監修, 牛島利和・後藤典子・西尾和人編集), 篠原出版新社, 2008.
  9. 渡邉学郎, 他: Insulo-opercular gliomaの手術戦略. 脳腫瘍の外科: 基本と挑戦 (甲村英二編), メディカ出版, 2008.
  10. 渡邉学郎, 他: 手術: グリオーマ: 病態と治療 (田淵和雄編), シュプリンガー・フェアラーク東京, 2006.
  11. 渡邉学郎: medulloblastomaでは放射線照射に加えて化学療法を併用すべきか? 脳神経外科専門医にきく最新の臨床 (片山容一・川又達朗編), 中外医学社, 2006.
  12. 渡邉学郎: malignant gliomaの予後を左右する因子は何か?切除範囲を増やすと神経脱落症状が出現すると予想された場合どちらを優先させるのか? 脳神経外科専門医にきく最新の臨床 (片山容一・川又達朗編), 中外医学社, 2006.
  13. 渡邉学郎, 他: Malignant astrocytomaにおけるMRIナビゲーションおよび術中蛍光診断法を用いた外科的治療の意義. 脳腫瘍の外科: Biological behaviorにのっとった新しい治療戦略 (山下純宏編), メディカ出版, 2005.
  14. 渡邉学郎, 他: 看護の立場からみた脳神経外科補助的診断法. 脳神経外科看護の知識と実際 (片山容一編), メディカ出版, 2003.
  15. 渡邉学郎, 他: 海綿静静脈洞部髄膜腫に対する手術. 髄膜腫の外科 (久保田紀彦編), メデイカ出版, 1997.
  16. 渡邉学郎, 他: 乏突起神経膠腫におけるRB1/CDK4/p16INK4a/p15INK4b細胞周期調節機構とTP53/MDM2/p14ARF腫瘍抑制経路の異常. ポストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療 (田渕和雄・白石哲也編), 九州大学出版, 2002.
  17. 渡邉学郎: 小脳血管芽腫. 画像よりみた脳神経外科的疾患: その診断過程と治療成績 (坪川孝志編), 新興医学社, 1995.