ロボット支援前立腺全摘除術とは
前立腺がんに対するロボット支援前立腺全摘除術とは
(RALP : Robotics Assisted Laparoscopic Prostatectomy)


前立腺全摘除術には開腹手術・腹腔鏡下手術・ロボット支援腹腔鏡下手術があり、 いずれも、前立腺を精嚢(せいのう)や精管などの周囲の組織ごと摘出し、膀胱と尿道をつなぎ直す、ということが一般的です。
開腹手術は、腫瘍の切除や縫合などの操作が腹腔鏡手術に比べて容易です。しかし、ある程度お腹を開け筋肉を切るため、傷が大きい・出血量が多い・術後の痛みが大きい、などが欠点です。
腹腔鏡下手術は、開腹手術に比べて傷が小さく、出血量と術後の痛みが少ない、など利点も多いのですが、お腹に開けた小さな穴を通して自由度の低い鉗子を操作するため、腫瘍の切除や縫合の際に動きが制限されることになります。このため、手技が難しくなるのが欠点です。
ロボット支援前立腺全摘除術(RALP)

ロボット支援前立腺全摘除術(RALP)は、手術支援ロボットであるダビンチ・システムを使用することで、三次元の立体的な画像を見ながら腫瘍と臓器の位置関係を正確にとらえて手術することができます。また、通常の腹腔鏡手術鉗子と異なり、人間の手の関節以上に自由度の高いロボット鉗子を用いることで、精密な切開や正確な縫合を素早く行うことが可能です。
そのため、従来の腹腔鏡手術に比べて手術時間は短く、出血量も少なく済みますので、術後の回復が早く、基本的には輸血も必要としません。また、傷口が小さいため術後の痛みが少なく、翌日から歩行が可能です。
そして、正確な縫合は、尿失禁や勃起障害などの術後合併症を低減させると考えられます。 開腹手術と腹腔鏡手術の利点を合わせ持った術式がロボット支援前立腺全摘除術(RALP)であるといえるでしょう。 現在ではロボット支援前立腺全摘除術(RALP)は世界的に普及しています。2012年時点では米国の前立腺がん手術の98%は手術支援ロボットを使用して行われており、日本でも2012年から保険が適応されるようになりました。当院では2013年秋に導入し、その件数は年々増加しています。
なお、当院には泌尿器ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)も在籍しており、安全で確実な手術を提供できる環境を整えております。
ダビンチ手術(ロボット支援前立腺全摘除術 RALP)の件数
- 2013年(10-12月)
- 9件
- 2014年(1-12月)
- 66件
- 2015年(1-12月)
- 142件
- 2016年(1-9月)
- 102件
※当科では週4~5件のダビンチ手術に対応できるため、平均1カ月前後の待機で手術を受けられます。
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