ごあいさつ
開院以来外科の中で乳腺診療を行ってまいりましたが、平成23年4月より 乳腺外科として独立することとなりました。乳がんは、今や、日本人女性の11 人に1人(年間に約95000人)に発症し、まだ右肩上がりに増加し、女性で最も罹患率が高いがんです。乳がんの悪性度は他のがんより低いと言われますが、それでも30歳か ら65歳までの青壮年層の死亡数1位、年間13000人を超える方が亡くなられているのも事実です。がんに対する予防医学はまだ発展途上であり、早期に発見し治療するより仕方ありません。当院では視触診に加え、マンモグラフィと超音波診断装置を併用し、確定診断には針組織生検やマンモトーム生検(吸引式組織生検装置)も積極的に行っております。
またCT、MRI、シンチグラフィ、非触知性腫瘤に対しマンモグラフィ下でも生検可能なマンモトーム等の最新の医療機器を導入し、診断の精度を高め、患者さまにあわせた個別化した治療を行っております。
その結果、毎年100人を超え、平成30年度は115人の乳癌手術を手がけることができました。治療のため乳房切除が必要な場合、整容性を考えたインプラント・自家組織を使った乳房再建にも対応でき、術前化学療法等も積極的に導入しています。今後も更に専門性を持って患者さまに安心して治療していただけるよう努力していく所存です。乳がんに限らず、乳腺に関わることでしたら何でもご相談いただければと考え、乳腺外科を立ち上げることといたしました。病院の標傍通り、“高度で愛し愛される 診療科”を目指しますので地域の皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。
乳腺外科 科長 中熊尊士
特色
当院は日本乳癌学会より認定された乳癌専門施設です。担当医師も日本乳癌学会から認定された3人の専門医が常勤し、大学病院より非常勤の専門医も加わり、おもに5人が診療に携わっております。それに加え認定看護師(乳がん看護、がん化学療法、がん疼痛、緩和ケア)、抗癌剤専任薬剤師、認定マンモグラフィ撮影放射線技師とチームを組み、放射線治療科、放射線診断科、病理科、形成外科と連携し診療にあたっています。このスタッフの充実ぶりは県内でも屈指と自負しております。
2010年診療実績 | |
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乳がん手術件数 | 104例 |
乳房温存手術の割合 | 74%(77例) |
主な病状、疾患について
主訴 | 可能性のある疾患 |
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しこり |
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乳房の痛み | 乳腺症、乳腺炎、打撲、乳癌、薬物性(ホルモン剤、向精神病薬)、血栓性静脈炎 |
乳頭からの分泌液 | 乳癌、乳管内乳頭腫、乳腺炎、向精神薬、下垂体腫瘍、のう胞 |
乳頭・乳輪のかゆみ | パジェット病、接触性皮膚炎 |
乳房の違和感 | 乳腺症、乳癌、薬物性 |
乳房の変形・ひきつれ | 腫瘍性病変(悪性・良性)、炎症性病変(悪性・良性)、ホルモン異常 |
脇の下リンパのはれ | 乳癌、炎症、正常なはれ |
診療予約
乳腺の専門外来は月曜日から金曜日の午後、初診は月曜から土曜日の午前を基本的に予約診で行っています。
教育・研修・研究
学会で研究発表(乳癌学会、乳癌検診学会、がん治療学会、臨床外科学会等)を行い、臨床試験(大学、N-SAS BC、SELECT BC等)にも積極的に参加しています。
予約受付窓口
紹介状をお持ちの方:地域連携課・病診連携係 | TEL:048-773-5941 紹介状を開封せずにお手元にご用意ください。 |
紹介状をお持ちでない方:外来予約センター | TEL:048-773-1197 |
受付時間
月曜日~金曜日 8:30~17:30土曜日 8:30~13:00
- 日曜・祝祭日は受付いたしかねます。
- 当日のご予約はお受けいたしかねます。
- 時間帯によって、電話回線が混み合ってつながりにくい場合があります。ご迷惑をおかけいたしますが、悪しからずご了承ください。
- 当院は地域医療支援病院です。かかりつけの医院からの紹介状が必要となります。紹介状をお持ちでない方はこちらをご確認ください。