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頭頸部がんの新しい治療法「アルミノックス」

頭頸部がんの新しい治療法「アルミノックス」

上尾中央総合病院では、2023年から頭頸部がんに対する新しい治療法(※)「アルミノックス治療(光免疫療法)」を開始します。
アルミノックス治療は「アキャルックス®」という薬剤と「BioBlade®レーザシステム」を組み合わせておこなう、局所的な治療法です。
(※)21年1月に「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」に対して保険診療が始まりました。

頭頸部アルミノックス治療とは

専用の薬剤とレーザー装置を使って、がん細胞を効率的に攻撃する治療法です。
使用する薬剤はアキャルックス®(セツキシマブサロタロカンナトリウム)と言い、特定の分子標的薬と感光性物質を結びつけたもので、頭頸部がんの細胞にあるEGFRという部位に結合する特徴を持っています。(図1)
レーザー装置から光ファイバーを使用して、がん細胞にレーザー光を当てます。(図2)レーザー光が当たった感光性物質の作用によって、がん細胞を攻撃・破壊します。(図3)
頭頸部アルミノックス治療は、がん細胞を効果的に破壊することが期待されています。また、免疫細胞が破壊されたがん細胞の破片をもとに抗体を獲得し、残ったがん細胞への免疫反応が期待できるのではないかといわれています。

図1 EGFRにアキャルックス®が結合する

図2 レーザー光により感光性物質が反応する

図3 薬剤の作用によってがん細胞が破壊される

レーザー光

照射するレーザー光は人体に安全なもので、健康な細胞はほとんど破壊されないとされています。
当て方が2種類あり、がんの部位や大きさによって、どちらか片方の方法で治療する場合と、両方の方法で行う場合があります。(図4)

  1. 身体の表面に露出している場合:身体の表面から当てます。
  2. 皮下組織(体の中)にある場合:がんに針を刺し、そこに光ファイバーを挿入して体の中から当てます。

図4 レーザー光の当て方

対象となる患者さん

「手術では治療が難しい、または一度治ったが再発した局所的な頭頸部のがん(切除不能な局所進行または局所再発)」が対象です。 手術や抗がん剤・放射線治療が実施できる場合にはそちらが優先されます。また、がん細胞が急速に崩壊するので、がんの部位によってはこの治療法は実施できません。

治療の流れ

  • 治療前日: ご入院いただきます。

  • 1日目: アキャルックス®を、2時間以上かけて点滴で投与します。

  • 2日目: BioBlade®レーザーで、特定の波長の光をがん細胞に照射します。

  • 3日目~7日目: 点滴から一定期間は光過敏症になるため、薄暗いお部屋で入院していただきます。

  • 7日目~14日目:日常生活がある程度可能になれば退院です。

  • 退院後も、点滴から4週間程度は日光に直接当たらないように工夫して生活する必要があります。

治療後にまだ病変が残っている場合には、4週間の間隔をあけて4回まで治療を追加することが可能です。

副作用

アキャルックス®は、EGFRという頭頸部がんの細胞表面に多く発現する物質に付着します。
しかし、EGFRは正常なお肌の維持に関わっている物質でもあります。正常な表皮の細胞にも発現しているため、投与された薬剤は表皮の細胞にも付着します。
そのため、正常な皮膚が障害されてしまわないよう、投与後は一定期間日差しを避けていただく必要があります。
治療の対象となる患者さんには、日常生活の注意点やその他の副作用について、担当の医師からくわしく説明いたします。

図は楽天メディカル社ホームページ より一部引用

予約受付窓口

紹介状をお持ちの方:地域連携課・病診連携係 TEL:048-773-5941
紹介状を開封せずにお手元にご用意ください。
紹介状をお持ちでない方:外来予約センター TEL:048-773-1197

受付時間

月曜日~金曜日 8:30~17:30
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  • 当院は地域医療支援病院です。かかりつけの医院からの紹介状が必要となります。紹介状をお持ちでない方はこちらをご確認ください。

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