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病気ガイド

急性心筋梗塞:循環器内科

急性心筋梗塞とは

急性心筋梗塞とは、冠動脈(心臓の筋肉に血液を送る血管)の中の動脈硬化プラーク(コレステロールなどが蓄積した塊)が破綻して血栓が生じ、血管が詰まって血液がいかなくなった状態を指します。心臓の筋肉が必要とする酸素や栄養が届かなくなることで心臓の筋肉が壊死し、心臓の機能が急激に損なわれます。

心臓の図

どのような症状がおこるのか

急性心筋梗塞の初期症状には、下記のようなものがあげられます。

  • 胸や首、心窩部(みぞおちのあたり)の締めつけられるような痛み
  • 冷や汗がひどくなり、意識が遠のく
  • 30分以上発作が続く
  • (狭心症の患者さんの場合)いつもの薬が効かない

このような場合、すぐにかかりつけの病院や行政の救急相談ダイヤル(#7119)などへ相談することをお勧めします。

急性心筋梗塞をおこすリスクが高いのは

生活習慣病(高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満)のある方、喫煙やストレスの影響がリスクを高めます。また遺伝的素因等も関係します。男女比では男性のほうが多く、ライフスタイルや性ホルモンの男女差が影響していると考えられています。

急性心筋梗塞の治療

一刻も早く、血栓で詰まった冠動脈を再開通させる必要があります。発症から再開通までの時間が短いほど良く、90分以内に再開通することが生命予後(患者さんのその後の生活)を改善させるひとつの目安となっています。

急性心筋梗塞のカテーテル治療

カテーテル治療

橈骨動脈(手首の血管)または大腿動脈(足の付け根の血管)から、心臓に向かって、カテーテルと呼ばれる特殊なプラスチック製の細い管(2~3㎜程度)を挿入し、冠動脈の閉塞の有無や閉塞している部位を調べます。

冠動脈が詰まっていたり、詰まりかけている場合には、経皮的冠動脈インターベンション(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)と呼ばれる治療をただちに行う必要があります。PCIは、狭窄または閉塞している冠動脈の血管の内側から、バルーン(風船)やステント(金属製のコイル)を用いて、冠動脈の血流を回復させる治療です。

ステント

上尾中央総合病院で実施しているカテーテル治療、補助循環法

  • 血管内を拡げる治療:バルーン拡張術
  • 拡げた血管へステントを入れる治療:ステント留置術
  • 血管を詰まらせている血栓を蒸散する治療:エキシマレーザー冠動脈形成術(ELCA)
  • 血栓を吸い取る治療:血栓吸引療法
  • 弱った心臓を補助する装置:
    • 大動脈内バルーンパンピング(IABP)
    • 経皮的心肺補助装置(PCPS)
    • 補助循環用ポンプカテーテル(MCS、Impella®)

冠動脈バイパス術

カテーテルでの治療が困難な患者さんは、冠動脈バイパス術という外科的手術を受ける場合があります。バイパス手術は、全身麻酔のもと、胸や足から採取した血管を心臓の血管へつなぐ手術です。急性心筋梗塞の第一選択肢はカテーテル治療ですが、必要に応じて心臓血管外科とも連携して適切な治療を提供しています。

冠動脈バイパス術模式図

治療後の過ごし方

治療後、患者さんはCCU(重症な心臓病患者を対象とした集中治療室)に入院します。カテーテル治療後は主に心臓リハビリテーションと薬物療法をおこないます。抗血小板薬(血をサラサラにする薬)、βブロッカーやACE阻害薬(血圧をコントロールしたり、心臓の筋肉を保護する薬の一種)、スタチン製剤(コレステロールを低下させる薬)といった薬剤を飲むことで、心筋梗塞の再発を防ぎます。病状が安定している患者さんは数日で一般病棟に移り、平均すると10~14日くらいで退院が可能です。薬物療法は退院後も生涯継続し、ご希望のある患者さんは外来での心臓リハビリテーションの継続も可能です。

当院の強み

急性心筋梗塞は、病院に到着前に亡くなる方も多くいらっしゃる病気です。救命のためには、一刻も早く治療ができる病院に到着することが重要です。

当院では、消防隊の救急車だけでなく、モービルCCU(当院所有の移動式救急車)を積極的に運用しております。近隣の医療機関から要請があれば迅速に対応し、治療開始までの時間短縮に努めております。当院には、県内でも有数の循環器専門医、カテーテル専門医が所属し、日々、最先端の技術・知識の研鑽に努めております。夜間、休日でも常時2名の循環器内科医師での診療体制をとっており、重症の患者さんにも十分な対応が可能です。

エキシマレーザー(血管性病変などに対する効果が報告されている)やOCT光干渉断層イメージング(動脈硬化の評価に優れ、個々の患者さんに適した治療を選択できる)の使用経験も豊富です。また2019年8月から補助ポンプカテーテル(IMPELLA®)も正式に運用しており、重症患者さんの救命率向上に努めております。

この記事を書いたのは

中野 将孝のプロフィール画像
中野 将孝(なかの まさたか)副科長
循環器内科
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