1. HOME
  2. 急性心筋梗塞

急性心筋梗塞Actue heart attack

急性心筋梗塞とは

急性心筋梗塞とは冠動脈(心臓に血液を送る血管)内のプラーク(脂質の塊)が破綻して血栓が生じ、急速に血管が詰まって心臓の筋肉に血液がいかなくなった状態を指します。必要とする酸素や栄養が届かなくなることで心臓の筋肉が壊死し、心臓の機能が損なわれます。

心臓の図
心臓の図

どのような症状がおこるのか

急性心筋梗塞の初期症状には、下記のようなものがあげられます。

  • 胸が締めつけられる痛みが続く
  • 冷や汗がひどくなり、意識が遠のく
  • 30分以上発作が続く
  • (狭心症の患者さんの場合)いつもの薬が効かない

このような場合、すぐにかかりつけの病院や行政の救急相談ダイヤル(#7119)などへ相談することをお勧めします。

急性心筋梗塞をおこすリスクが高いのは

生活習慣病(高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満)のある方、喫煙やストレスの影響がリスクを高めます。また遺伝的素因等も認められます。男女比では男性のほうが多く、ライフスタイルの男女差が影響していると考えられています。

急性心筋梗塞の治療

一刻も早く梗塞部(詰まった血管)を再開通させる必要があります。発症から再開通までの時間(door to balloon time)は短いほど良く、90分以内に再開通することが生命予後(患者さんのその後)のひとつの目安となっています。

急性心筋梗塞のカテーテル治療
急性心筋梗塞のカテーテル治療

カテーテル治療

橈骨動脈(手首の血管)または大腿動脈(足の付け根の血管)から心臓に向かって、カテーテルと呼ばれる特殊な2mm程度のプラスチック製の細い管を挿入し、造影剤という特殊な薬剤を使用して冠動脈の閉塞の有無や閉塞している部位を調べます。

高度狭窄(血管がかなり狭くなっている)、または完全閉塞している(完全に詰まっている)場合には、経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)と呼ばれる、冠動脈を血管の内側から拡げる低侵襲(からだに負担の少ない)治療を行います。95%以上の患者さんに、ステントと呼ばれる金属製のコイルのような人工物を留置しています。

ステント
ステント

上尾中央総合病院で実施しているカテーテル治療、補助循環法

  • 血管内を拡げる治療:バルーン拡張術
  • 拡げた血管へステントを入れる治療:ステント留置術
  • 血管を詰まらせている血栓を蒸散する治療:エキシマレーザー冠動脈形成術(ELCA)
  • 血栓を吸い取る治療:血栓吸引療法
  • 弱った心臓を補助する装置:
    • 大動脈内バルーンパンピング(IABP)
    • 経皮的心肺補助装置(PCPS)
    • 補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)

冠動脈バイパス術

カテーテル治療が困難な患者さんには、冠動脈バイパス術という胸や足から採取した血管を心臓の血管へつなぐ手術があります。急性心筋梗塞の第一選択肢はカテーテル治療ですが、必要に応じて心臓血管外科とも連携して適切な治療を提供しています。

冠動脈バイパス術模式図
冠動脈バイパス術模式図

治療後の過ごし方

治療後、患者さんはCCU(循環器内科の重症患者さんを対象とした集中治療室)に入院します。カテーテル治療後は主に心臓リハビリテーションと薬物療法をおこないます。抗血小板薬(血をサラサラにする薬)、βブロッカーやACE阻害薬(血圧をコントロールする薬の一種)、スタチン製剤(コレステロールを低下させる薬)といった薬剤を導入します。病状が安定している患者さんは数日で一般病棟に移り、平均すると10~14日くらいで退院が可能です。薬物療法は退院後も生涯継続し、ご希望のある患者さんは外来での心臓リハビリテーションの継続も可能です。

心臓リハビリテーションのページへ

当院の強み

急性心筋梗塞は、病院に到着前に亡くなる方も多くいらっしゃる病気です。救命のためには一刻も早く治療ができる病院に到着することが重要です。

当院では行政の救急車だけでなく、モービルCCU(移動式救急車)を積極的に運用しております。近隣の医療機関から要請があれば迅速に対応し、治療開始までの時間短縮に努めております。夜間、休日でも常時2名の循環器内科医師での診療体制をとっており、重症の患者さんにも十分な対応が可能です。

近年、血栓性病変に対する効果が報告されているエキシマレーザーの使用経験も豊富です。また2019年8月から補助ポンプカテーテル(IMPELLA)も正式に運用しており、重症患者さんの救命率向上に努めております。

この記事を書いたのは
中野 将孝(なかの まさたか)
循環器内科 副科長