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外科

膵がん

膵臓とは

膵臓は上腹部にあって、みぞおちと臍の中間あたりにあります。細長い臓器で、頭部、体部、尾部に分けられます。周囲には十二指腸、胆管、肝門脈、下大静脈、脾動脈・脾静脈、胃、大動脈、脾臓、腎臓、大腸とたくさんの臓器に囲まれています。したがって、手術など外科的な処置をする際には、これらの臓器、血管が周囲にあるため簡単に処理ができないのが膵臓の手術の大きな特徴です。膵臓には大きく二つの働きがあり、食べ物を消化する消化酵素である膵液を分泌する外分泌機能と、血糖の調節に必要なインスリン、グルカゴンなどのホルモンを分泌する内分泌機能をあわせもっています。膵液は膵管を通って十二指腸に分泌されます。
膵臓疾患の中には膵管の変化を起こすことがあります。膵臓の病気に伴い、膵液の流れが悪くなると膵管の拡張が認められます。代表的な病気として膵臓がんがありますが、その他膵臓の嚢胞性疾患(IPMN,MCN,SCN)や慢性膵炎などがあります。検診などで、膵管拡張があった場合はさらなる精査が必要となります。

膵がんとは

膵臓にできる癌には、その成因から膵管癌、腺房細胞癌、神経内分泌腫瘍、そして膵臓嚢胞性疾患より発生する癌などがあります。膵臓にできる癌のうち90%以上は膵管から発生します。これを膵管癌といい、膵がんは通常この膵管癌のことを指します。
膵がんは消化器の癌のなかでも治りにくい癌の代表で、膵がんの発生率は胃がんや大腸がんに比べ3分の1程度にもかかわらず、国内における癌による死亡原因の第5位となっています。膵がんが治りづらい癌である理由は、癌自体の再発率が他の癌に比べ高いだけでなく、特異的な初発症状がなく診断された時には大半が進行しており、7〜8割の方は外科手術の適応にならないことが原因と言われています。そのため手術だけではなく、抗がん剤、放射線治療、緩和治療といった集学的加療を行える施設での加療が勧められます。

症状

早期の膵がんには特徴的な症状が乏しく、診断の遅れにつながっています。膵がんではその占拠部位により、臨床症状が異なります。
膵頭部の癌では、胆汁の流れが悪くなり、黄疸(皮膚の黄染)で発症するのが特徴です。上腹部痛、背部痛、食思不振、全身倦怠感、心窩部不快感、腹部膨満、体重減少など一般的な消化器症状と同様な症状が表れます。
膵体部や尾部の癌では、胆管に影響が及びにくいので黄疸も出現しにくく、その発見はさらに遅くなることが多く、診断された時点では、手術不能と言う場合が多くあります。癌が進んでくると、腹水、消化管出血がみられることがあります。
また、糖尿病発症や糖尿病の経過中の急な悪化が診断のきっかけとなることも多く、慢性膵炎の症状を呈する膵がんもあります。

検査と診断

膵がんの診断はCT検査、MRI検査、内視鏡検査、腹部超音波などの様々な検査を組み合わせて、複合的に診断します。癌の占拠部位によって、内視鏡的逆行性胆管造影を追加します。癌の進行は、癌の大きさ、多臓器への浸潤、リンパ節転移、遠隔転移(肺や肝臓への転移)の状態を判断し、病期を決定します。病期をもとに加療を決定します。

病期

進行度は腫瘍の大きさ、周辺臓器への浸潤、転移の有無によって決められ、ステージIからⅣに分けられています。この分類は治療方針に重点を置いて作成されており、基本的にStageⅡまでは切除可能であり、StageⅢは手術により切除できるかどうかの境界であり、StageⅣは手術不能で抗がん剤の適応であることを示しています。

治療法

膵がんの基本的な治療は、手術療法と抗がん剤による加療が中心となります。
画像評価により、癌の浸潤が、膵臓もしくは、周辺のリンパ節にとどまっている場合には切除可能と考え、周辺のリンパ節を含め手術で切除することが第一選択の治療となります。手術療法を選択する場合、手術で癌を全て取り除くことが大前提となりますが、その一方で、画像評価により、高度なリンパ節転移や、遠隔転移、腹膜播種、切除不可能な多臓器浸潤を認めた場合、一般的に手術では癌は取り除くは困難です。そのような場合は癌を全身病と判断し、抗がん剤を第一選択の治療とします。今日、様々な臨床研究の結果、新たな抗がん剤の組み合わせが試みられ、その効果が確認され、膵がんの治療成績を改善上で現在必要不可欠な治療法です。
また、最近では抗がん剤治療を先行して行うことにより、癌を小さくすることが可能となり、癌を切除することができる可能となってきました。
当院では治療効果を最大限に引き出せるように、消化器内科、消化器外科が連携し、患者様にとっての最善の治療を常に考え、提案し、患者様と一緒に、治療にあたっています。

①手術治療

膵がんの治療は 癌の占拠部位により術式が異なります。

1)膵頭部癌:
膵頭部に癌が存在する場合、当院では亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行しております。この手術は、十二指腸を含め、胆管、を合併して切除する必要があるため、胃、空腸(小腸)、胆管、膵臓を切除して膵頭部の腫瘍を摘出します。切除する臓器も多く、周囲に血管も多いことより、摘出するまでにも技術を要する他、切除した腸管(胃、空腸)、胆管、残った膵臓をつなぎ合わせ再建が必要なため、非常に難易度の高い手術です。また、膵臓は食べ物を消化する酵素を分泌する臓器であるため、膵液漏という合併症を引き起こす可能性があります。
当院にはダヴィンチと呼ばれる医療用ロボットがあります。当院外科では自由診療になりますが、この亜全胃温存膵頭十二指腸切除をダヴィンチを用いて行なっております。傷が小さく、患者様の負担も少ない手術であると考えています。

2)膵体尾部癌:
膵体尾部に癌が存在する場合、膵体尾部切除、脾臓合併切除を施行します。理屈的には切除する臓器は癌の存在する膵臓だけでいいのですが、周囲のリンパ節を含め切除することを目的とするため、脾臓まで合併して切除する必要があります。この手術の場合でも、膵臓を切除するため、膵液漏という合併症を引き起こす可能性があります。

抗がん剤加療について

膵がんにおける抗がん剤治療の選択肢は増えてきています。ゲムシタビン・TS-1(ティーエスワン) に加え、FOLFIRINOX療法やゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法といった複数の抗がん剤を組み合わせた治療法(多剤併用療法)が保険収載され、施行されています。
これらは、今までの組み合わせに比べ予後が改善されるようになってきました。しかしながら、副作用も強く体力や年齢を考慮して、適切に行われています。

手術件数

膵・脾切除

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