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病気ガイド

膵嚢胞性疾患:外科・消化器外科

膵臓とは

膵臓は上腹部にあって、みぞおちと臍の中間あたりにあります。細長い臓器で、頭部、体部、尾部に分けられます。周囲には十二指腸、胆管、肝門脈、下大静脈、脾動脈・脾静脈、胃、大動脈、脾臓、腎臓、大腸とたくさんの臓器に囲まれています。したがって、手術など外科的な処置をする際には、これらの臓器、血管が周囲にあるため簡単に処理ができないのが膵臓の手術の大きな特徴です。膵臓には大きく二つの働きがあり、食べ物を消化する消化酵素である膵液を分泌する外分泌機能と、血糖の調節に必要なインスリン、グルカゴンなどのホルモンを分泌する内分泌機能をあわせもっています。膵液は膵管を通って十二指腸に分泌されます。
膵臓疾患の中には膵管の変化を起こすことがあります。膵臓の病気に伴い、膵液の流れが悪くなると膵管の拡張が認められます。代表的な病気として膵臓がんがありますが、その他膵臓の嚢胞性疾患(IPMN,MCN,SCN)や慢性膵炎などがあります。検診などで、膵管拡張があった場合はさらなる精査が必要となります。

膵嚢胞性疾患とは

膵臓にできる腫瘍の中で水分を多く含む袋状の病変を膵嚢胞性疾患と言います。この病気は、無症状の方々も多く、検診で偶然発見されることも多々あります。また、良性のものから悪性のものまであり、そのため正確な治療をするためには正確な診断が必要となります。
当院では消化器外科、消化器内科、放射線診断科の各専門医による診断を行い、加療の必要性の有無を検討し、場合によっては手術治療も行います。
当院では、悪性のリスクがあるものに関しては、手術を前提に考え、患者様により侵襲の少ない腹腔鏡による手術、ロボット支援手術(保険適応外)を積極的に行なっています。

膵嚢胞疾患の分類

膵嚢胞性疾患は大きく分けて

  • 膵管内乳頭状粘液産生腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm:IPMN)
  • 粘液性嚢胞腫瘍(Mucinous Cystic Neoplasm:MCN)
  • 漿液性嚢胞腫瘍(SCN:Serous Cystic Neoplasm)
  • Solid-Pseudopapillary Neoplazm(SPN)

に分類されます。

膵管内乳頭状粘液性腫瘍(癌)IPMN(IPMC)

膵管内乳頭状粘液性腫瘍(IPMN)は、その名の通り、膵管内に粘液を産生する腫瘍です。膵管内が粘液で満たされることから、嚢胞状の形態をとりますが、拡張しているのは、嚢胞ではなく、膵管です。この腫瘍は発生する場所、腫瘍成分の有無、時間経過とともに段階的に悪性化をきたします。発見された時の場所(主膵管型、分枝膵管型)、腫瘍の状況により、すぐに手術を勧められる場合もあれば、経過を見ながら手術を考慮する場合もあり、患者様の状況により、手術適応は異なります。手術の方法に関しましても、発生場所や大きさにより、腹腔鏡手術が勧められる場合もあれば、開腹手術になる場合もあります。当院では保険外手術になりますが、ロボットを用いたロボット支援手術も行なっており、手術の選択肢は充実しております。

粘液性嚢胞腫瘍(MCN)

MCNは中年女性に多く見られる疾患です。膵臓に多量の粘液を貯留する袋を有するのが特徴です。また、膵体尾部に90%以上が発生します。放置しておくと癌を発生する可能性が高いと言われており、手術が必要となります。
当院では患者様に負担が少ない腹腔鏡手術を積極的に行なっています。

漿液性嚢胞腫瘍

SCNもMCNと同じように中年女性に多く見られる疾患です。膵臓に漿液(サラサラな液体)を貯留する袋を有するのが特徴で、そのほとんどは良性です。そのため、ほとんどの症例では手術ではなく、経過観察となります。しかしながら、悪性と鑑別が困難な場合や腫瘍が大きい場合には、手術をお勧めする場合があります。

SPN

SPNは若年女性に後発する低悪性の腫瘍です。健康診断の超音波やCT検査で偶然発見され見つかることが多い疾患です。悪性度の確率は10%ほどで、それほど高くありませんが、基本的に手術の適応となります。当院では腹腔鏡での手術を考慮しております。

膵嚢胞性疾患は様々なバリエーションがあり、治療も多岐にわたります。患者様それぞれの症状に合わせた、治療方針をスタッフ一同で熟考し、最善の治療を提案させていただきます。ぜひ外来でご相談ください。

手術件数

この記事を書いたのは

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若林 大雅(わかばやし たいが)医長
消化器外科
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