A1-1:腹部に生じた痛みの場合。
胃や十二指腸の潰瘍や胆嚢炎、膵炎などいろいろな病気が考えられます。
痛みの生じ方や採血、画像診断などで鑑別します。いずれにせよ精査が必要です。すぐ、消化器内科を受診してください。
A1-2:嘔吐や下痢。
さらに、吐いた物に血が混ざっていたり、黒い便が出た、便に血が混ざっているなどの症状はどこかの消化管からの出血の疑いがあります。
食道や胃・十二指腸からの出血の場合、便は黒い事が多く、肛門に近い大腸からの出血の場合は便に血が付いたり肛門から出血する事が多いです。いずれにせよ当科での精査が必要になります。
A1-3:食道や胸のつかえ感や便の出が悪い。
食道や胃の腫瘍などで消化管が狭くなると食べた物の通りが悪くなります。また、便秘と思って便が出ない場合、腸閉塞や大腸の腫瘍で消化管が狭くなっている場合があります。当科ですぐに検査を受けましょう。
A1-4:尿が濃くなったり皮膚がどす黒くなったり白目が黄色くなったりする黄疸。
黄疸は胆嚢や胆管の炎症や、痛みを伴わなくても肝炎(A1-5:)などの事があります。すぐ、消化器内科を受診してください。
健康診断で肝機能異常を指摘された場合や腹部超音波検査で脂肪肝を指摘された場合なども当科で精査します。
A1-5:肝炎。
急性肝炎の初期症状は風邪に似ています。
だるく食欲がないなどの症状の場合、痛みが無くても採血で肝炎は診断できます。この場合、前述の黄疸を伴います。
それに対して慢性肝炎は症状もなく密かに進行します。肝機能障害を指摘された方は症状がなくてもC型肝炎やB型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や最近注目されている非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの可能性もありますので、消化器内科を受診してください。
