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がん診療実績

当院のがん診療の実績

2011年4月より埼玉県のがん診療指定病院の指定を受け、様々ながん種に対して、外科的治療・抗がん剤治療・放射線治療などを組み合わせた集学的な治療を積極的に行っております。
院内がん登録症例の統計を中心に、当院のがん診療の実績をご紹介いたします。

  • このページ内のデータは特に記載のない限り、院内がん登録の2015年登録症例(診断日が2015年1月~12月の症例)についての統計になります。

がん診療概要

 当院には日本がん治療認定医機構のがん治療認定医が計11名在籍しており、5大がんを中心としてそれぞれの診療科領域で幅広くがん診療を行っております。
 男女ともに共通して症例数が多いのが大腸がん(結腸・直腸)・胃がん・肺がんで、他に男性では前立腺がん、女性では乳がんの症例数が多い傾向にあります。
 性別年齢階級別で見ると、男女ともに70歳代の症例数が多い傾向にあります。

■部位ごとの性別件数
部位別性別の件数
■全体の部位別構成比
全体の部位別構成比
■性別ごとの部位別構成比
性別ごとの部位別構成比
■性別年齢階級別の件数
性別年齢階級別の件数

 地域医療を担う基幹病院として、2005年よりがん診療を積極的に行っていく方針を掲げ、がんに関わる多職種の人材の確保および教育、地域の医療機関との連携の強化などに取り組んでおります。その結果、がんの治療のために入退院される患者様の数は2005年以降、年々増加傾向にあり、また全退院患者に占める割合も増加しております。

■「がん退院数」と「総退院数に占めるがん退院数の割合」の推移
「がん退院数」と「総退院数に占めるがん退院数の割合」の推移

胃がん

当院の胃がん治療

 消化器内科及び外科にて診断から内視鏡治療、手術(開腹/腹腔鏡)、化学療法、末期癌の緩和ケアに至るまで、胃癌治療の全領域をカバーしています。
 早期の胃癌に対しては、内視鏡治療及び腹腔鏡手術にて、低侵襲かつ十分な治療を目指し、進行胃癌に対しては、術前、術後の化学療法及び手術治療を組み合わせることで再発を防ぐ事に留意しています。

当院の治療実績(外科的治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

手術症例数
119件
うち、開腹手術症例数 43件
うち、腹腔鏡手術症例数 25件
うち、内視鏡手術症例数(ESD/EMR) 51件

ステージ別の治療の組み合わせ

  • StageⅠA(粘膜までの病変):内視鏡手術(EMR・ESD)
             (粘膜下層の病変):腹腔鏡手術
  • StageⅠB:腹腔鏡手術
  • StageⅡA~ⅡB:開腹手術(+術後補助化学療法)
  • StageⅢA~ⅢC:開腹手術(+術前化学療法+術後化学療法)
  • StageⅣ:化学療法(+手術)

胃がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(152)
Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
79 22 10 22 19
手術のみ 28 12 2 2 1
内視鏡のみ 28 0 0 1 17
手術+内視鏡 4 0 0 0 0
薬物療法のみ 0 1 1 6 0
薬物+その他 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+薬物 5 7 6 1 1
手術/内視鏡+その他 0 0 0 0 0
治療なし 14 2 1 12 0

※治療前ステージ不明については、他の疾患治療を実施した際に偶然発見されたがんとなります。

UICC TNM分類治療前ステージ別割合(胃)

大腸がん

当院の大腸がん

 大腸がんの治療は、大腸癌研究会より「大腸癌治療ガイドライン 2014年版」(金原出版)が刊行されており、当院における大腸がん治療も基本的にこのガイドラインに則っております。
 大腸癌治療のガイドライン、およびその解説については、大腸癌研究会のホームページ(www.jsccr.jp)でも見ることができます。
 また、2016年度より大腸癌に対する腹腔鏡下手術を積極的に導入し、約85%の大腸癌症例に腹腔鏡下手術を施行しております。
 さらに、直腸癌に対しては生存率および肛門温存率の向上を目指して術前化学放射線治療と手術治療を組み合わせた集学的治療を積極的に行っております。

当院の治療実績(外科的治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

 2015年1月~12月までに当院で大腸癌と診断されたのは計296例です。
 手術件数は296件のうち、消化器内科による内視鏡手術症例は148件、外科による手術件数は147件です。
 外科では、適応を見極めた上で開腹手術だけでなく、腹腔鏡手術も積極的に施行しています。

手術症例数
295件
うち、開腹手術症例数 100件
うち、腹腔鏡手術症例数 47件
うち、内視鏡手術症例数 148件

ステージ別の治療の組み合わせ

 大腸癌治療ガイドラインに則り、0期 は内視鏡的切除、Ⅰ期~Ⅲ期は外科的切除、Ⅳ期に関しても切除可能症例に関しては手術を考慮しています。
 Ⅱ期の高リスク症例、Ⅲ期の症例に対しては術後補助化学療法を積極的に行っています。
 Ⅳ期の非切除症例に対しても、患者様の全身状態を考慮して化学療法を施行しています。

大腸がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(296)
0期 I期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
12 58 31 38 19 138
手術のみ 1 44 20 16 5 6
内視鏡のみ 10 5 0 1 2 119
手術+内視鏡 1 0 0 0 0 8
薬物療法のみ 0 0 0 0 1 0
放射線+薬物 0 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+放射線 0 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+薬物 0 8 8 21 5 2
手術/内視鏡+その他 0 0 0 0 0 0
他の組み合わせ 0 0 0 0 0 0
治療なし 0 1 3 0 6 3

※治療前ステージ不明については、他の疾患治療を実施した際に偶然発見されたがんとなります。

UICC TNM分類治療前ステージ別割合(大腸)

肝がん

当院の肝がん治療

 肝がんの存在診断を各種画像診断(造影超音波、MD-CT、MRI、EOB-MRI、血管造影など)を駆使し正確に行います。そして、術前シミュレーションを3次元画像解析ソフトを用いて、切除肝重量の測定と切除範囲の術前予測を行っております。次に、肝予備能診断は各種採血検査、ICG検査、アシアロシンチなどを用いて行い、これらを総合的に組み合わせることで正確かつ安全な肝切除が可能となります。これらの肝がんに対する診断・治療技術は県内有数と自負しており、消化器内科と肝臓外科のコラボレーションにより初めて可能となるものであります。
 具体的には肝切除、特に腹腔鏡下肝切除(国内外で有名な肝臓外科医の参加により症例数が急激に増加しております)、局所壊死療法(ラジオ波焼灼療法RFA、マイクロ波凝固療法、エタノール注入療法)、肝動脈化学塞栓療法、持続動注化学療法、分子治療薬内服療法などを単独あるいは組み合わせて行っています。特に高度肝機能障害例や切除不能肝転移症例に対しても、2期的腹腔鏡下肝切除術や手術室での3次元血管造影を積極的に導入し良好な成績を得ています。

当院の治療実績(外科的治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

 2015年に肝切除を行った症例は28例です。肝切除は肝機能が保たれている症例では系統的肝切除を行っています。
内訳は肝3区域切除1例、肝2区域(葉)切除8例、肝区域切除4例、肝亜区域切除5例、肝部分切除10例でした。
機能不良例では肝部分切除術を選択し、いずれも腹腔鏡下肝部分切除を行っております。

手術症例数
28件
うち、開腹手術症例数 20件
うち、体腔鏡手術症例数 8件

■その他治療の内訳

TAE/TACE症例数 8件
ラジオ波焼灼症例数 6件

肝がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(38)
I期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
12 11 4 11 0
手術のみ 3 2 1 0 0
内視鏡のみ 0 0 0 4 0
薬物療法のみ 0 0 0 2 0
薬物+その他 1 2 1 0 0
手術/内視鏡+薬物 1 0 0 0 0
他の組み合わせ 4 3 2 1 0
治療なし 3 4 0 4 0
UICC TNM分類治療前ステージ別割合(肝臓)

肺がん

当院の肺がん治療

 胸部X腺写真や胸部CTで肺がんが疑われると、喀痰細胞診、気管支鏡による観察・病巣よりの組織診断が行われます。さらに、各種画像検査による転移検索を行い、Ⅰ期からⅣ期まである臨床病期を決定します。
 臨床病期Ⅰ期或いはⅡ期と判断された場合は、手術療法が第一選択となります。標準手術では、がんの存在する肺葉と当該肺葉からのリンパ流路に沿ったリンパ節の系統的な切除を行います。 しかし、医学的理由で肺葉切除が出来ない肺がんには、縮小切除(区域切除、部分切除)を行います。
 術前未確診肺内腫瘤(肺がん疑い)に対しては、胸腔鏡下肺生検を行い、術中迅速病理診断の結果から肺がんであれば続けて肺がんに対する標準手術を行います。このような早期の小さい肺がんに対する手術の術後成績は非常に良好です。
 胸壁・大血管浸潤例に対しては他科と協力して拡大切除を行うこともあります。
 転移性肺腫瘍に対しても原発巣が治癒していることを条件として、肺転移に対して外科治療を行います。いずれの疾患においても胸腔鏡による低侵襲手術を積極的に行っております。

当院の治療実績(外科的治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

手術症例数
33件
うち、胸腔鏡手術症例数 33件
うち、胸腔鏡補助下手術症例数 0件
うち、開胸手術症例数 0件

ステージ別の治療の組み合わせ

  1. 腫瘍径2㎝をこえる術後病期ⅠA期及びⅠB期非小細胞肺癌に対して1~2年間UFTという経口抗がん剤の内服を行います。
  2. 術後病期Ⅱ、ⅢA期非小細胞肺癌の完全切除例に対して、可能であれば術後にプラチナ製剤併用化学療法を行います。
  3. ⅢB、Ⅳ期非小細胞肺癌に対して、全身状態が良好な75歳未満の患者には原則として化学療法(+放射線療法)を行います。高齢者においても日常生活の活動度(PS)が良好であれば、抗がん剤治療によって生存期間の延長とQOLの改善を目的に治療を行います。
  4. いずれの病期においても必要に応じ緩和治療を並行して行います。

肺がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(106)
I期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
35 4 14 48 5
手術のみ 22 0 0 1 3
放射線のみ 1 2 2 5 0
薬物療法のみ 2 0 7 6 0
放射線+薬物 0 0 1 4 0
手術/内視鏡+放射線 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+薬物 6 1 1 1 0
他の組み合わせ 0 0 0 3 0
治療なし※ 4 1 3 28 2
  • 積極的な治療なし(緩和など)
  • 治療前ステージ不明については、他の疾患治療を実施した際に偶然発見されたがんとなります。
UICC TNM分類治療前ステージ別割合(肺)

乳がん

当院の乳がん治療

 基本的に、日本乳癌学会の専門施設なので、学会のガイドラインに沿い乳癌治療を行っています。また、乳癌専門医だけでなく、腫瘍内科医、放射線治療医、乳癌・抗癌剤・緩和の認定看護師や認定薬剤師とチームを組んで治療を行っているのが特徴です。具体的には、乳癌の可能性がある病巣に対し、ほぼ全例、組織生検(針生検、マンモトーム生検)行い、癌の組織学的診断ならびに癌の生物学的特性(ホルモンレセプター、ハーツーレセプター、核異型度、増殖マーカー)を確認しています。
 診断後は全身検索を行い、病気の進行度を確認し、癌の性格もあわせて総合的に評価し、患者様にあわせた個別化治療を行っています。治療の選択肢となる全ての治療、手術治療(再建も含め)、薬物治療、放射線治療に対応でき、積極的に臨床試験にも参加しているのも特徴です。

当院の治療実績(治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

 この数年間の原発性乳癌手術実績は年間約100例。その内、乳房温存手術は70%。
 手術患者様は予定入院・予定退院となるクリニカルパスを運用され、術後再手術となるような合併症率はほぼゼロでした。整容性のため形成外科とチームを組み乳房切除後の再建症例も増加しています。

手術症例数
97件
うち、乳房温存手術症例数(乳房部分切除) 47件
うち、乳房全摘出術/乳房切除症例数
(うち、全摘出/切除後に乳房再建術を実施)
50件
(6件)
薬物療法症例数
106件
うち、化学療法症例数 31件
うち、内分泌療法症例数 75件

ステージ別の治療の組み合わせ

 非浸潤性乳癌と呼ばれる0期の乳癌は、ほぼ手術治療で完治しますので、手術治療(できる限り温存術)を優先し、必要があれば放射線治療、ホルモン治療を検討します。
 切除可能なⅠ期-Ⅲ期の原発性乳癌に対して、手術治療(温存、切除、センチネルリンパ節生検、腋窩郭清)、放射線治療、薬物治療(ホルモン療法、化学療法、分子標的療法)を組み合わせて個別化した治療を行っています。
 Ⅳ期に関しては薬物療法を主体に必要があれば手術、放射線治療を行い患者さんのQOLを改善できるよう心掛けています。

乳がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(109)
0期 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
11 40 33 14 6 5
手術のみ 4 2 2 1 0 2
放射線のみ 0 0 0 0 0 0
薬物療法のみ 0 3 1 3 4 0
放射線+薬物 0 0 0 0 1 0
薬物+その他 0 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+放射線 1 0 0 0 0 0
手術/内視鏡+薬物 5 14 18 6 1 1
手術/内視鏡+放射線+薬物 1 21 12 4 0 2
治療なし 0 0 0 0 0 0

※治療前ステージ不明については、他の疾患治療を実施した際に偶然発見されたがんとなります。

UICC TNM分類治療前ステージ別割合(乳房)

前立腺がん

当院の前立腺がん治療

手術治療~ダヴィンチ・システムによるロボット支援前立腺全摘術、開放手術、小切開手術
放射線治療~IGRT
薬物治療~アンドロゲン除去療法、化学療法
PSA監視

当院の治療実績(治療の内訳)

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

ロボット支援前立腺全摘術の症例数は県内で最多・全国有数となっています。
腹膜外アプローチも導入し、ロボット手術が困難とされている広範な腹腔内手術後の症例や緑内障症例などにも対応しています。
高リスク群においては、原則として拡大リンパ節郭清術を併施しています。
pT2(Ⅱ期)症例での断端陽性率は約5%と良好な成績となっています。

手術症例数
111件
うち、開腹手術症例数 3件
うち、ロボット支援腹腔鏡下手術症例数 108件

ステージ別の治療の組み合わせ

cT1/T2 N0M0(Ⅰ期/Ⅱ期)→手術、外照射、アンドロゲン除去療法、PSA監視のいずれか、あるいは組み合わせ
cT3N0M0(Ⅲ期)→手術、外照射、アンドロゲン除去療法、のいずれか、あるいは組み合わせ
T4≦ and/or N1≦ and/or M1(Ⅳ期)→アンドロゲン除去療法、および場合により化学療法・手術・外照射の組み合わせ
CRPC→2nd.line以降のアンドロゲン除去療法、化学療法、緩和治療の組み合わせ

前立腺がんステージ別の治療

※リンパ腫・肉腫を除く2015年登録症例(診断日:2015年1月~2015年12月)

UICC TNM分類治療前ステージ別に見た治療方法の件数

治療前ステージ
全数(184)
Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 不明
69 88 12 12 3
手術のみ 37 50 4 0 1
放射線のみ 0 1 0 0 0
薬物療法のみ 18 24 3 1 0
放射線+薬物 0 3 1 2 0
手術/内視鏡+放射線 0 0 1 0 0
手術/内視鏡+薬物 4 9 3 1 0
手術/内視鏡+その他 0 0 0 0 1
その他の組合わせ 1 0 0 1 1
治療なし 9 1 0 7 0

※治療前ステージ不明については、他の疾患治療を実施した際に偶然発見されたがんとなります。

UICC TNM分類治療前ステージ別割合(前立腺)

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