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手術支援ロボットを用いた中咽頭がん切除術 上尾中央総合病院が埼玉県初の保険適用病院に

2023.08.01
プレスリリース

医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院(所在地:埼玉県上尾市、院長 徳永英吉)は、「がんを確実に切除すること」と「極力機能を温存すること」を両立させる可能性をより一層高めるために中咽頭がんに対する手術支援ロボットを用いた経口的切除術Transoral Robotic Surgery ; TORS)をおこなっています。当院では2023年7月からTORSが保険診療で実施可能になりました。
患者さんが健康保険で受けられる診療行為の中には、「保険医療機関が一定の人員や設備を満たしていること」「その旨を地方厚生局に届け出ていること」が条件となるものがあります。
上尾中央総合病院では、2022年12月に初のTORSを実施してから、慎重かつ堅実に症例を重ね、7月に関東信越厚生局に保険診療の届け出を行い、受理されました。これは埼玉県内の医療機関初のことであり、かつ関東甲信越の民間病院としても初めてです。※1

ダビンチXi
ダビンチXi

中咽頭がんとは

中咽頭がんは、扁桃や舌の付け根、口蓋垂(いわゆる“のどちんこ“)のあたりにできるがんを指します。中でも扁桃にできるものが多い傾向にあり、日本では、毎年2万4千人ほどが中咽頭がんと診断されます。
原因は「過度の喫煙や飲酒」「HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染」に大別されます。HPV関連がんの多くがp16タンパクを過剰に産生する(陽性となる)ため、治療にあたっては、p16陽性かp16陰性かを調べます。p16陰性(喫煙や飲酒が原因)の中咽頭がんは、中高年の男性に多く見られます。一方で、p16陽性(ウイルス感染が原因)の中咽頭がんは、比較的若い方や女性にも増えています。
自覚症状は、初期にはほとんどありません。がんが大きくなってくると、「首のしこり」や「扁桃腺の腫れ」という自覚症状があらわれます。扁桃腺の腫れは、片側のみである方が多いです。飲み込むときの違和感や、長く続くのどの痛み、耳の痛み、声の変化などで気づく方がいらっしゃいます。歯科健診や胃カメラ検査で発見されることもあります。
しかし「のどに違和感がある方」は多いものの、実際には「がんが違和感の原因である」ことはそれほど多くありません。また、中咽頭がんをはじめとする頭頸部(頭から首、のどにかけての部位)がんの専門医は全国でも500名ほどしかおらず、中咽頭がんは早期発見・早期治療が難しいがんのひとつです。

中咽頭がんの治療法

おもな治療法は手術と化学放射線療法※2です。
中咽頭は「話す」「飲みこむ」ために重要な役割を果たしています。そのため、がんを取り去ることと同時に、機能を残すことも重要視されています。どの治療法にもメリット・デメリットがあるので、患者さんの状態にあわせ、丁寧に検討します。
また、中咽頭がんは、「食道がんや胃がん、肺がんと重複して発生することが多い」ことがわかっています。そのため、治療計画を立てるにあたっては、他の部位にもがんが無いかしっかりと検査をします。

中咽頭がんの手術

がんが小さく、表層にとどまっている場合には、口から器具を入れてがんを切除する手術をします(経口的切除術)。
がんが進行していると、首の外側からがんを切除する手術になります(外切開手術)。切除する範囲が広くなりますので、必要に応じて、患者さん本人の太ももやおなかから筋肉と皮膚を移植して外見や機能の改善をはかります(皮弁形成術)。
中咽頭がんは頸部リンパ節(首のリンパ節)に転移することが多いがんです。リンパ節に転移している場合や、転移の可能性がある場合などには頸部リンパ節も切除します(頸部郭清術)。

中咽頭がんのロボット手術 【TORS】

切除範囲が広い場合には、「声を出す」「飲みこむ」などの機能が損なわれることがあります。
上尾中央総合病院では、「がんの制御」「機能温存」「整容面(見た目)の満足」に重点をおいて診療にあたっています。
患者さんの暮らしは治療後も続きます。「がんを確実に切除すること」「極力機能を温存すること」を両立させ、会話や食事を楽しむ日常を1人でも多くの患者さんに送っていただきたい。その思いから耳鼻いんこう科・頭頸部外科で、内視鏡手術支援ロボットダビンチによる経口的ロボット支援手術(Transoral Robotic Surgery ; TORS)を開始しました。倫理面、安全面に留意して症例数を重ねた結果、今月に保険診療での申請の運びとなりました。
ロボット支援手術では、口にロボットアームを入れてがんを切除します。いままでの経口的切除術よりも、込み入った動作がスムーズにできることが最大の利点です。
狭い口腔内が拡大され立体的に見えること、360度自由に動くロボットアームが微細な動作を行えることから、がんの周囲に適切な安全域をつけて切除でき、今まで以上にのどの機能を温存できる可能性が高まります。
TORSを一人でも多くの患者さんの選択肢にできる、住み慣れた地元で一歩先の医療をうけていただけるよう、引き続き努めてまいります。

※1. 埼玉県初・関東初:届出受理医療機関名簿(関東信越厚生局)掲載情報より
※2. 化学放射線療法:化学療法(抗がん剤による治療)と放射線治療を組み合わせた治療法

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