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ウォッチマンWATCHMAN

治療法

WATCHMAN

対象となる患者

心房細動をお持ちの患者さんのうち、下記の条件に当てはまる方。

  • 抗凝固療法持続困難の患者さん
  • 脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く、抗凝固療法が推進される患者さんの中で出血リスクが高く長期間服用が困難な患者さん
  • 転倒によって治療をともなう外傷のある心房細動の患者さん
  • 出血の既往を有する患者さん
  • ESC(欧州心臓病学会)心房細動管理 ガイドライン2012では、下記3つ以上が出血を起こしやすいハイリスク患者として注意喚起されています。
    1. 収縮期血圧160mmHg超
    2. 腎機能障害:慢性透析や腎移植、血清クレアチニン2.26mg/dL以上
    3. 肝機能異常:慢性肝疾患(肝硬変など)または検査値異常
    4. 過去の出血歴または出血傾向(出血素因、貧血など)
    5. 血清INRの不安定(血液の凝固時間の不安定)
    6. 抗血小板薬や非ステロイド性抗炎症薬などの併用
    7. 週3日以上のアルコール摂取

手術の概要

経カテーテル左心耳閉鎖術(WATCHMAN:ウォッチマン)(以下ウォッチマン)は、心原性脳梗塞(心臓の中の血栓が原因となって脳の血管がつまっておこる脳梗塞)の予防のために左心耳(左心房の一部で耳たぶ状に突出。成人だと、およそ親指程度の大きさ)の入口にデバイスを留置して血栓ができやすい部位を塞いでしまう治療になります。
従来、心原性脳梗塞症の予防のためには左心耳を切除したり、クリップを使って左心耳を閉鎖する外科的手術が行われてきました。しかし、開胸を必要とすることから体への負担が大きく、高齢の患者さんには低侵襲な治療が求められていました。

心原性脳梗塞の原因のポイント

  • 心房細動によって、心拍が不規則になると血栓が生じることがある。その約90%が左心耳にできると言われている。
  • 心房細動の患者さんは心拍が規則正しい人よりも5倍、心原性脳梗塞を発症しやすいと言われている。

心房細動によって心拍が不規則になると、心臓内の血流がうっ滞しやすく(滞りやすく)なります。そうすると心臓内に血栓(血の塊)が生じることがあり、生じる部分の約90%が左心耳と言われています。その血栓がはがれて、血流にのって心臓から脳に達すると血管を詰まらせ脳梗塞をおこす可能性があります。心原性脳梗塞は、突然発症して、麻痺をはじめとして重篤の症状を有し、寝たきりや認知症の原因となるだけではなく、生命に関わる可能性があります。

ウォッチマンの手術

ウォッチマンは、先端にデバイスを付けたカテーテルを静脈に挿入し、心房中隔を穿刺して左心房に到達させたのち、心臓に達した時にデバイスを膨らませ、左心耳の入口に傘のような形をしたフィルターを留置してふさぎます。開胸手術ではないため、患者さん体への負担が少なく、入院期間も短いのが特徴です。
また、ウォッチマンは基本的に1回の手技で終了します

© 2022 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.

ウォッチマン留置図

© 2022 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.

ウォッチマン留置図

上尾中央総合病院でのウォッチマンへの取り組み

ハートチーム(ウオッチマン)

当院は国内外から多くの知見と経験を合わせもつ循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、脳神経外科医のエキスパート、コメディカルなど多方面にわたる専門家たちが集まり、チームとして取り組んでいます。
実施医は弁膜症カテーテル手技あるいは左心房におけるカテーテルアブレーション手技の経験を有し、心房中隔穿刺手技経験者で行います。急変時にも対応できるように心臓血管外科医や脳神経外科医とも連携をとり、しっかりとした体制を整えています。

手術適応者

ウォッチマン留置術を行う上で適応となる患者さんには条件があります。

対象となる患者
  • ウォッチマン適応者は、主治医からしっかりと説明を受けた上で、2~3回程度当院に検査・検査結果等で来院します。
  • 留置するウォッチマンのサイズは全部で5種類(2021年2月時点)あり、そのサイズを決定するために術前に医師による経食道心エコー(TEE)を実施して、左心耳の入口部と深さを測定します。

※ 対象の患者さんであっても、術前検査により形態的にウォッチマンの植え込みが困難なことがわかる方もいらっしゃいます。

手術について

手術は、前日に入院し、翌日手術室にて全身麻酔もしくは鎮静剤投与局所麻酔で心臓超音波装置を食道に挿入し、エコー画像やX線透視画像を確認しながらカテーテルの操作を行います。足の付け根の大腿静脈からカテーテル治療をしますので、傷口は小さく、術後経過に問題がなければ2日後に退院となります。
留置手技時間は約1時間程度ですが、麻酔を使用しますので、入室から退出までに約2時間程度かかります。合併症がなければその日のうちに麻酔から覚め、夕方には食事をとることができます。
手術後はCCU(冠疾患集中治療室)に入室して術後管理を行い、翌日には一般病棟へ戻ります。原則として術後45日間は今まで内服していた抗凝固薬とアスピリンの2剤併用療法を継続し、45日目に経食道心エコーで留置したウォッチマンの周囲に血栓がないかを確認します。血栓がなければ、患者さんごとに出血リスクまたは脳梗塞リスクに合わせて内服調整(抗血小板剤2剤併用、または低容量抗凝固薬単剤)を行います。最終的に6ヵ月後はアスピリンまたは低容量抗凝固薬のどちらか単剤のみとなります。退院後も当院で経過観察をさせていただきます。
尚、植込みを行ったデバイスは術後1ヵ月程度で表面が内皮化するといわれています。
もちろん体には害はなく、MRIや各種検査は基本的にうけていただいて問題ありません
術後の生活で注意する点は特にありませんが、手術をしていますので、少しずつ体力を戻し、自分自身のスタイルで過ごしていきましょう。

使用するデバイス

ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルター

ウォッチマンデバイス

© 2022 Boston Scientific Corporation. All rights reserved.

ウォッチマンデバイス
この記事を書いたのは
前野 吉夫(まえの よしお)
循環器内科 副科長

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