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薬剤部よりごあいさつ

はじめに
上尾中央総合病院の薬剤部は、「愛し愛される病院」の理念のもと、保険点数化される前から入院患者さんへの薬の説明を実施して参りました。
1988年の入院調剤技術基本料の保険点数化を機会に、調剤中心の業務から薬物治療計画の参画や、薬物療法の結果に責任を持つ業務へと移行し始めました。
2004年の医薬分業を機会に、入院患者さんの半数以上に薬剤管理指導業務を実施するまで拡大しました。2008年からはICUを含む全病棟と手術室に薬剤師を配置し、薬剤が使用される全ての入院患者さんに薬剤師が関わる体制を構築しました。そして、2012年に新設された病棟薬剤業務実施加算においては、特別に新たな体制の確立を必要とせずに、開始することが出来ました。
一方、外来患者さんへの関わりは、医薬分業以降少なくなっておりますが、抗がん剤・オピオイド鎮痛剤・自己注射製剤を初めて使用される患者さんに対しては、病院薬剤師が服薬説明や副作用説明を行い、近隣の調剤薬局の薬剤師は経過観察を行う等の、地域における連携を高めながら薬物治療を提供しています。
2015年7月におくすり外来を開設し、手術が決定した時点で抗血小板薬や抗凝固薬などの服用状況を把握し、医師に対する情報提供を開始しています。2021年9月からは手術目的以外の予定入院の患者さんに対して、入院前の薬物治療の内容を把握させて頂いています。
退院後においては、薬剤管理指導の延長として、退院後の初回の外来通院時に、薬剤師外来を行っています。こちらは現時点においては診療報酬上の評価はされていませんが、患者さんの声を反映して率先して行うべき業務と考えております。
入院前後の外来診療において、切れ目の無い薬剤の情報を提供し続けます。
このような業務の拡大の背景には、2014年以降、毎年約10名の新入職員の薬剤師を迎え、薬剤師の定員を大幅に増やすことができたためです。その交渉の力になったのは、長年に渡って構築した病院薬剤師として担うべき業務内容と質の向上、そして安全面や経営面に対する貢献等が評価されたと考えております。
多方面から得られた信頼を、これからの新しい世代の薬剤師達も得られるために、人として・社会人として・医療人として・病院薬剤師として・臨床薬剤師としての育成を継続的に行い、病院薬剤師としての責任を患者さんに果たして参ります。
上尾中央総合病院薬剤部の業務の振り返り
年月 | 薬剤師に関わる診療報酬や法の変化 | 上尾中央総合病院薬剤部の主な変化 | 4月時点の在籍薬剤師数 |
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2023年 (令和5年) |
75名 | ||
2022年 (令和4年) |
周術期薬剤管理加算 75点/回 新設 | 73名 | |
2021年 (令和3年) |
3月:日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修病院に認定 | 68名 | |
2020年 (令和2年) |
病棟薬剤業務実施加算 一般120点/回/週 ICU100点/回/日 |
65名 | |
外来化学療法加算 連携充実加算 新設 | 5月:がん病診薬連携 研修会を開始 | ||
9月:薬剤師法25条の2の2項に「継続的」等が追記 | |||
2019年 (令和元年) |
新コアカリキュラム実務実習開始 | 61名 | |
2018年 (平成30年) |
抗菌薬適正使用支援加算 新設 100点/回/1入院 臨床研究法施行 |
抗菌薬適正使用支援のチームに専従の薬剤師を配置 | 67名 |
7月:上尾伊奈薬剤師連携研究会を発足 | |||
2017年 (平成29年) |
1月:B館二期工事竣工 外来化学療法室にアイソレーターを設置 |
73名 | |
4月:日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師研修事業 研修施設として認定 | |||
2016年 (平成28年) |
薬剤管理指導料 325or380点/回 4回/月 |
72名 | |
病棟薬剤業務実施加算 一般100点/回/週 ICU80点/回/日 |
|||
2015年 (平成27年) |
7月:おくすり外来を開設 | 60名 | |
2月:AMG薬事研究会事務局を当院薬剤部内に設立 | |||
2014年 (平成26年) |
がん患者指導管理料3 新設 200点/回 |
がん患者指導管理料3 算定開始 | 49名 |
5月:B館一期工事竣工 | |||
6月:薬剤師法25条の2に「指導」等が追記 | |||
12月:上尾中央総合病院50周年 | |||
2013年 (平成25年) |
42名 | ||
2012年 (平成24年) |
6年制薬学課程を履修した薬剤師が入職 | 41名 | |
病棟薬剤業務実施加算 新設 100点/回 1回/週 |
病棟薬剤業務実施加算 算定開始 | ||
2011年 (平成23年) |
5月:注射薬自動払出システム導入 | 36名 | |
2010年 (平成22年) |
長期実務実習開始 | 41名 | |
2009年 (平成21年) |
47名 | ||
2008年 (平成20年) |
薬剤管理指導料 325or380or430点/回 4回/月 |
7月:ICUを含む全15病棟に薬剤師を配置 | 48名 |
7月:治験事務局を設立 | |||
2006年 (平成18年) |
6年制薬学課程開始 | * | |
2004年 (平成16年) |
薬剤管理指導料 350点/回 4回/月 |
医薬分業 | * |
1998年 (平成10年) |
GCP完全実施 | * | |
1994年 (平成6年) |
薬剤管理指導料へ改名 600点/回/月 |
* | |
1988年 (昭和63年) |
入院調剤技術基本料 新設 100点/回/月 |
入院調剤技術基本料 算定開始 | * |
入院患者さんへの服薬指導を実施 | * |
当院の薬剤部の7つの特徴
① 全病棟に薬剤師を配置
手術室・ICUを含む全病棟に薬剤師を専任で配置しています。様々な状況において薬剤師が即座に対応できる体制は、当院ならではの大きな特長です。
② 24時間体制
患者さんからのお問い合わせ、医師・看護師からの問い合わせに対応しています。
③ 外来の患者さんへの説明
抗がん剤、インスリンなどの薬について、外来の患者さんに対しても院内の薬剤師が患者さんに説明しています。また、「おくすり外来」を設置し、手術を控えた患者さんのお薬の相談や、退院後の服用状況の確認や副作用などの確認を行っています。
④ 高い専門性
抗がん剤、感染、NST、糖尿病、救急などの各専門領域について専門チームを立ち上げ、勉強会や症例検討会を開催して患者さんについての情報を共有しています。こうした活動は、直接患者さんの安心・安全な薬物治療に還元されます。
⑤ プレアボイド報告書の提出
薬剤師が薬物療法に直接関与し、薬学的なケアを実践して患者さんの不利益(副作用、相互作用、治療効果不十分など)を回避あるいは軽減した事例を「プレアボイド報告書」と称して日本病院薬剤師会に提出しています。
⑥ 認定薬剤師が多数在籍
がん薬物療法認定薬剤師・外来がん治療認定薬剤師・感染制御認定薬剤師・NST専門療法士・救急認定薬剤師・糖尿病療養指導士・認定治験コーディネーター・認定実務実習指導薬剤師などの認定薬剤師が多数在籍し、それぞれの分野の医療に高い専門知識・技術で貢献しています。
⑦ 学会認定の研修施設
2017年度より日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師研修施設、2021年より日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修病院に認定されました。
当院以外の薬剤師を受け入れ、学びの場を提供しています。
薬剤師の人数等
2023年4月現在
- 在籍薬剤師数:75名
- 調剤助手:4名 薬剤師事務:1名
- 薬剤師の経験年数別の人数は図の通りです。

薬剤師の出身大学
