1. TOP
  2. キャリアデザイン

キャリアデザイン

イメージ写真

はじめに

私達の仕事の主な対象は、患者さんです。常に、「患者さんに喜んで頂ける」という視点で仕事を行っています。一方、私達も仕事に喜びを感じないと、やりがいに繋がりません。

すなわち、病院薬剤師として、「患者さんに喜んでいただけたことは何か?」を常に見つめています。その時こそ、病院薬剤師という仕事に喜びを感じたはずであり、その「想い」を大切にしています。

ノンテクニカルスキル

薬剤師には、求められる専門の知識や技能があります。しかし、それがどんなに高くても患者さんやご家族、地域住民、他の医療スタッフ等の満足度が上がらない場合や、成果に結び付かないことがあります。薬剤師の伝える力の不足によって、誤解を招き、命を疎かにする結果に繋がることもあるかもしれません。

なぜなら、医療活動の多くは、無形であり、提供する側(薬剤師)と受け手(患者さんやご家族、地域住民、他の医療スタッフ等)との接点、つまり「真実の瞬間」で価値が決まるためです。医療は人が人にさせて頂く仕事であり、人と人を結びつけるには、会話と相手を認める心が大切です。

そこで必要とされるのは、ノン・テクニカルスキルです。ここでは、コミュニケーション力や判断力といった非医療技術やスキルと定義します。また、病院薬剤師の役割を認識し、自立性を促すスキルも含めています。

当院の薬剤部では、薬剤師としての専門の知識の習得と共に、ノンテクニカルスキルの向上にも注力しています。

新入職員教育

セントラル業務(1年目の4~6月頃)

実務担当者とチーム担当者の2本柱で教育します。
実務担当者とは、3年目以上の薬剤師が、実務を通して教育・指導します。
チーム担当者とは、2年目の薬剤師が、実務では習得できなかった内容を補足します。

病棟業務(1年目の7~9月頃)

最初の5日間は、指導薬剤師が常に見守りマンツーマンで教育します。
その後10日間は、速やかに指導薬剤師に相談ができる体制の下で、実際の業務を行います。

両者共に、確認試験や実技試験による技能の確認を行い、ルーブリックを用いた評価を行い段階的に教育します。 薬学教育雑誌に、当院が属する法人の事例が紹介されています。

卒後の臨床薬剤師に向けたルーブリックによるパフォーマンス評価方法の導入
土屋裕伴他 上尾中央総合病院薬剤部 薬学教育 第5巻,(2021),279-286

クリニカルラダー(入職2年目以降)

ラダーという手段を用いて、日々の業務を通して、一段階ずつ上がっていく過程を大切にします。ラダーが、「目標はこっちだぞ」と教えてくれる、またある時は、「最近、進んでいないよ」と気付かせてくれる様な、生きたラダーを目指します。

日本病院薬剤師会雑誌に、当院の事例が紹介されています。

クリニカルラダーを用いた病院薬剤師の個人能力の評価と育成計画への利用
新井亘 他 上尾中央総合病院薬剤部 日本病院薬剤師会雑誌,Vol.53 No.10 2017,1231-1239

マネジメントラダー(入職4年目以降)

当院の基本方針として、次世代リーダーの育成も挙げられています。 将来的に、管理職を目指す方には、薬剤部内の部署やチームにおいてリーダーシップを必要とする仕事を担います。

個人目標

組織の全体目標を達成するために、組織目標と関連する個人目標を掲げ、自らの目標達成を目指して活動することが、組織としての成果を上げ、個人にとっても意味のある仕事となる」という考え方に基づきます。

個人の大目標(将来自分が、患者のためにどのような薬剤師になりたいのか)と、具体的な年度の目標を明確にします。

四半期毎に自己評価と他者評価の双方において進捗を把握し、必要に応じて助言を行います。