教育体制

キャリアデザイン

私達の仕事の主な対象は、患者さんです。常に、「患者さんに喜んで頂ける」という視点で仕事を行っています。一方、私達も仕事に喜びを感じないと、やりがいに繋がりません。

すなわち、病院薬剤師として、「患者さんに喜んでいただけたことは何か?」を常に見つめています。その時こそ、病院薬剤師という仕事に喜びを感じたはずであり、その「想い」を大切にしています。

ノンテクニカルスキル

薬剤師には、求められる専門の知識や技能があります。しかし、それがどんなに高くても患者さんやご家族、地域住民、他の医療スタッフ等の満足度が上がらない場合や、成果に結び付かないことがあります。薬剤師の伝える力の不足によって、誤解を招き、命を疎かにする結果に繋がることもあるかもしれません。

なぜなら、医療活動の多くは、無形であり、提供する側(薬剤師)と受け手(患者さんやご家族、地域住民、他の医療スタッフ等)との接点、つまり「真実の瞬間」で価値が決まるためです。医療は人が人にさせて頂く仕事であり、人と人を結びつけるには、会話と相手を認める心が大切です。

そこで必要とされるのは、ノン・テクニカルスキルです。ここでは、コミュニケーション力や判断力といった非医療技術やスキルと定義します。また、病院薬剤師の役割を認識し、自立性を促すスキルも含めています。

当院の薬剤部では、薬剤師としての専門の知識の習得と共に、ノンテクニカルスキルの向上にも注力しています。

新入職員教育

セントラル業務(1年目の4~6月頃)

実務担当者とチーム担当者の2本柱で教育します。
実務担当者とは、3年目以上の薬剤師が、実務を通して教育・指導します。
チーム担当者とは、2年目の薬剤師が、実務では習得できなかった内容を補足します。

病棟業務(1年目の7~9月頃)

最初の5日間は、指導薬剤師が常に見守りマンツーマンで教育します。
その後10日間は、速やかに指導薬剤師に相談ができる体制の下で、実際の業務を行います。

両者共に、確認試験や実技試験による技能の確認を行い、ルーブリックを用いた評価を行い段階的に教育します。 薬学教育雑誌に、当院が属する法人の事例が紹介されています。

卒後の臨床薬剤師に向けたルーブリックによるパフォーマンス評価方法の導入
土屋裕伴他 上尾中央総合病院薬剤部 薬学教育 第5巻,(2021),279-286

クリニカルラダー(入職2年目以降)

ラダーという手段を用いて、日々の業務を通して、一段階ずつ上がっていく過程を大切にします。ラダーが、「目標はこっちだぞ」と教えてくれる、またある時は、「最近、進んでいないよ」と気付かせてくれる様な、生きたラダーを目指します。

日本病院薬剤師会雑誌に、当院の事例が紹介されています。

クリニカルラダーを用いた病院薬剤師の個人能力の評価と育成計画への利用
新井亘 他 上尾中央総合病院薬剤部 日本病院薬剤師会雑誌,Vol.53 No.10 2017,1231-1239

マネジメントラダー(入職4年目以降)

当院の基本方針として、次世代リーダーの育成も挙げられています。 将来的に、管理職を目指す方には、薬剤部内の部署やチームにおいてリーダーシップを必要とする仕事を担います。

個人目標

組織の全体目標を達成するために、組織目標と関連する個人目標を掲げ、自らの目標達成を目指して活動することが、組織としての成果を上げ、個人にとっても意味のある仕事となる」という考え方に基づきます。

個人の大目標(将来自分が、患者のためにどのような薬剤師になりたいのか)と、具体的な年度の目標を明確にします。

四半期毎に自己評価と他者評価の双方において進捗を把握し、必要に応じて助言を行います。

セントラル業務

調剤室

調剤室では、入院患者さんの内服薬調剤、注射薬調剤を行っています。内服薬調剤では、自動錠剤分包機、注射薬調剤では、アンプルピッキングマシンと呼ばれる調剤ロボットを使用しています。ガラス製のアンプルや、小容量の輸液ボトルも自動で調剤可能な機械です。薬剤師はそのオペレーションおよび監査業務を担っています。

錠剤以外の粉薬・水薬や外用薬については、薬剤師の手で調剤を行い、錠剤分包薬と合わせて出来上がりとなります。この様に薬剤師自身で薬を集めるようなことは少なくなる代わりに、薬剤師は処方箋に記載されている医薬品と、患者さんの状態が合致しているか照らし合わせる処方監査に注力しています。また分包された薬や集めた散・水剤が間違いないか確認する調剤監査も薬剤師の重要な役割です。 調剤の他に、製剤では、一般に流通していない医薬品の院内製剤を行います。

薬品管理室

薬品管理室では、医薬品の在庫管理を行っています。

必要な薬が不足する欠品を起こしてしまうと、患者さんの治療に悪影響を及ぼします。一方で過剰に揃えて置けばよいと言うものではありません。過剰在庫は時に期限切れにつながり、医薬品の品質低下につながることがあります。欠品を招くことなく、過剰在庫にならない様に在庫数を調節することが求められています。当院の場合は、医薬品の大多数は入院患者さんに使用されますので、入院患者さんの人数・状態などを考慮して、医薬品管理に努めています。

医薬品情報室

医薬品情報室では、医薬品の適正使用に努めています。情報が氾濫する時代において、医療・医薬品の情報も例外ではありません。あふれる情報の中から本当に必要な情報を取集し、管理しています。多くの患者さんに使用される医薬品の情報を管理している医薬品情報科は、いわば治療のコーチの役割を担っています。コーチからの情報に間違いがあれば、どんなに優秀な司令塔である医師の指示をも鈍らせてしまいます。医薬品情報科に配属の薬剤師は、医薬品情報の収集・整理・加工・提供と言った一連の流れを、たゆまず遂行しています。

しかし、医薬品情報を使うのは担当薬剤師だけではありません。薬剤師であれば、誰もが医薬品情報を使いこなせなければなりません。そのため医薬品情報科では、薬剤部内・外問わず、講習会を企画しています。薬剤師同士はもちろん、他職種のスタッフも含め、情報の伝達・個々のスキルアップなどに貢献しています。

CONTACT

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担当者:事務部 人事課・採用担当

jinji@ach.or.jp

(電話受付時間 平日 8:30~17:30 / 土曜 8:30~13:00)

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