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狭心症

ロボット支援狭心症手術(冠動脈バイパス術)

狭心症とは

狭心症とは、心臓の筋肉へ供給される酸素が不足するために起こる、一時的な胸の痛みや圧迫感のことで、通常、心臓にかかる負担(および酸素の必要量)が増大し、心臓が必要とする十分な血液を冠動脈が供給できなくなって発生します。
治療法は、症状の安定度と重症度によってある程度は決まります。
症状が軽度から中等度で安定している場合は、高血圧や喫煙などの危険因子のコントロールと共に薬で治療しますが、危険因子の改善や薬物療法でも症状が大きく改善しなかった場合、心臓内で障害が起きている部位の血流を回復する処置(血行再建術)が必要になる場合もあります。
血行再建術には、外科的治療(冠動脈バイパス術)やカテーテル治療(バルーン血管形成術・ステント留置術)がありますが、当院の心臓血管外科では内胸動脈を用いた冠動脈バイパス術を実施しております。

ダヴィンチ・システムを用いた心臓の手術

ロボット心臓手術実施施設証明書

手術支援ロボットであるダヴィンチ・システムを用いた心臓手術は、高精度の3Dハイビジョンによる術野再現のもと、これまで低侵襲心臓手術で困難であった術中の病変細部の観察できるようになりました。
また、手元で360度回転可能な鉗子を用いて外科手技が可能なため、解剖学的な制限から処置に高度技術を必要としていた手技が容易となりより正確な治療が可能となっています。欧米ではすでに、心臓手術、特に右心房、左心房内の弁膜症や先天性心臓疾患に対して用いられ、良好な成績が報告されています。
日本でもようやく薬事承認を得て、冠動脈バイパス術の際に用いる内胸動脈剥離および心房中隔欠損症と僧帽弁手術ができるようになりました。ただし、その使用には「ロボット心臓手術関連学会協議会」による厳密な施設基準があり、一定数の通常手術や低侵襲手術の経験や、医師のみならず看護師や技師を含めた手術チーム全員のトレーニングが義務づけられています。当院ではすでに、ダヴィンチ・システムを製作する米国intuitive surgical社のトレーニングを全員が受けており、ロボット心臓手術関連学会協議会により施設認定を2016年7月に日本で2番目に受けています。

狭心症に対するロボット手術(冠動脈バイパス術)

冠動脈バイパス手術では、バイパスに用いられる血管(グラフト)を患者様から採取します。当院のロボット手術で使用する内胸動脈は胸骨裏面の左右の肋軟骨接合部を縦走する直径2mmほどの動脈です。内胸動脈は、冠動脈やほかの末梢血管と比較すると動脈硬化が非常に少なく、グラフトとして優れていると言われています。
ロボット支援下の内胸動脈の剥離は、胸郭を大きく開けることなく動脈を広範囲に採取できます。特に、左小開胸によるバイパス術、MID-CABでの内胸動脈剥離は左胸郭を頭側腹側につり上げることで視野を得るために、胸郭に大きな負担がかかり時として術後疼痛遷延の原因になります。ダヴィンチを用いると拡大された鮮明な術野のもと極めて繊細かつ正確に剥離できるために、内胸動脈を愛護的に殆ど出血なく採取できます。吻合は一般の手術と同じように通常の器具を用いての手技になります。侵襲が極めて低いために、短時間での回復が望めます。

内胸動脈 手術風景

実施後の経過と改善の見込み・予後

ダヴィンチ・システムを用いて手術を行うことにより、従来の手術方法に比べ、より繊細で正確な病変部の吻合・縫合ができること、より小さな傷口で治療を行えること、またそれにより低侵襲な手術を行えることで、痛みが少ないこと、感染リスクが小さいこと、傷あとも少ないこと、そして回復期間や入院期間が短いことが期待されます。

ロボット手術による医療行為の危険性

ダヴィンチ・システムを用いた手術は、外科医の動作を伝えるアームにおける“触覚”が乏しいため、患者さんの胸腔内や心臓組織を損傷する恐れがあります。結紮や縫合の一部の手技は患者さんの近くにいるスタンドバイ外科医と連携して進めます。そのために、通常の手術よりも時間がかかる場合もあります。ロボットによる手技が困難な場合は、通常の内視鏡手術や開胸手術に移行する場合もあります。しかし通常の僧帽弁などの手術において予想される心臓手術における合併症が発生する危険は従来手術とほぼ同様です。

今後の展望

ロボット支援下ですが、血管の採取に用いるだけなので、通常のバイパス手術と同様に保険適用手術になります。 ロボットを使用することにより、さらに小さな傷で低侵襲な手術を行える可能性があるため、今後対象となる症例は増えてゆくものと考えています。積極的にバイパス手術に応用してゆきます。

外来予約 受付窓口

病診連携室 TEL:048-773-5941

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  • 診療情報提供書(紹介状)のない方は、循環器科外来(TEL:048-773-1111:内線2123)にお問い合わせ下さい。

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