ロボット支援心臓腫瘍摘出術
心臓腫瘍とは
腫瘍(しゅよう)とは、癌性(悪性)であれ、非癌性(良性)であれ、異常な増殖物のことをいいます。心臓から増殖が始まった腫瘍は、原発性心臓腫瘍と呼ばれます。この腫瘍は、癌性のものも非癌性のものも、心臓組織のあらゆる部位から発生する可能性があります。
心臓腫瘍のうち頻度の多い粘液腫は、心臓壁の内層(内膜)にある胚細胞から発生し、左心房内で増殖します。
心臓腫瘍では、症状がみられない場合もあれば、軽度の症状がみられる場合もあり、突然発症する他の心臓病と共通するような致死的な心機能不全がみられる場合もあります。たとえば腫瘍は、心不全・不整脈・心臓を覆う心膜内への出血による血圧低下などを引き起こします。粘液腫や線維腫のように、心臓弁の上部やその近くに発生する腫瘍がある場合には、血液が弁を正常に通過できなくなるため、その約半数で心雑音が聞かれます。
なお、非癌性腫瘍でも、癌性腫瘍と同じく心機能を低下させるものは致死的です。
心臓腫瘍、特に粘液腫は退縮して砕かれ、小片となって血流に乗って移動し、血管を塞いで血流が遮断されてしまうこと(塞栓)があります。
塞栓となりうるのは腫瘍だけでなく、腫瘍の表面で形成された血液のかたまり(血栓)がはがれて塞栓となり、動脈を閉塞させる可能性もあります。塞栓による症状は、閉塞した動脈がどの組織あるいはどの臓器に血液を供給しているかによって異なります。
心臓腫瘍は手術による切除が原則であり、腫瘍を小さくするような薬物は今の所存在しません。

実施後の経過と改善の見込み・予後
ダビンチ・システムを用いて手術を行うことにより、従来の手術方法に比べ、より繊細で正確な病変部の吻合・縫合ができること、より小さな傷口で治療を行えること、またそれにより低侵襲な手術を行えることで、痛みが少ないこと、感染リスクが小さいこと、傷あとも少ないこと、そして回復期間や入院期間が短いことが期待されます。
今後の展望
まだ健康保険の適用でないため自費診療になります(費用は病状により変わります)。金額は個別に相談に応じています。ただ、より小さな傷で痛みも軽減できるため、低侵襲手術の1つとしてこれから需要は増えてゆくと期待しています。
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